2010 Fiscal Year Annual Research Report
ERゲル保持機構を利用した半導体製造工程におけるウエハの真空中高速搬送技術の開発
Project/Area Number |
21360066
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青山 藤詞郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70129302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 康弘 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70407146)
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Keywords | 固定装置 / 真空プロセス / 半導体製造技術 / 機能性エラストマ / ERゲル / ER流体 / 電気粘着効果 / シリコンウェハ |
Research Abstract |
本研究では,電気で粘着性が変化するERゲル(Electro-rheological Gel,ERG)を真空中で使用可能なウェハ固定装置へ応用し,半導体製造プロセスの高速・高精度化を目指す.第1フェーズにおいて,真空対応型ERゲルの製造方法を確立し,真空下での放出ガスが少ないERゲルを開発した.本年度は第2フェーズとして,真空対応型ERゲルの改良と,真空対応型ERゲルを用いた電気粘着固定素子の開発を行った.得られた成果を以下に記す. (1)真空対応型ERゲルの改良 真空中では電気粘着効果による固定力が低減することから,シリコーンゲルの組成を変え,電気粘着効果の向上を試みた.その結果,シリコーンゲルを構成するオイル粘度に発生固定力の大きさは依存することが確認された,オイル粘度200cSt~300cStを使用することで,発生固定力が著しく高まることがわかった. (2)電気粘着固定素子の開発 櫛歯電極上にERゲルを貼り付けたシリコンウェハ用の固定素子を設計・開発した.始めに,効率良くERゲルに電界を印加するための電極形状を電場解析および実験を通して検討した.その結果,シンプルな1対の櫛歯電極パターンにおいて,高い電気粘着効果を得られることがわかった.得られた電極パターンを適用したERゲルの電気粘着固定素子を試作し,性能評価を行った.電気的安全性を確保するために,陰極と陽極のそれぞれに正負対称電圧を印加する逆位相電圧印加法の適用した.2chの差動出力可能なファンクションジェネレータとバイポーラ型の高電圧アンプを組み合わせることで,逆位相の電圧を陽極と陰極に同期して印加する.逆位相電圧を印加することでウェハ表面付近の電位を常にOVにでき,ウェハへの電気的影響を低減することができる. 上記の成果は,学術論文2編(投稿中),国際会議論文3編,国内学会論文2編,招待講演1件で発表した.
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