2011 Fiscal Year Annual Research Report
ERゲル保持機構を利用した半導体製造工程におけるウエハの真空中高速搬送技術の開発
Project/Area Number |
21360066
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
青山 藤詞郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (70129302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柿沼 康弘 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70407146)
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Keywords | 固定装置 / 真空プロセス / 半導体製造技術 / 機能性エラストマ / ERゲル / ER流体 / 電気粘着効果 / シリコンウェハ |
Research Abstract |
本研究では,電気で粘着性が変化するERゲル(Electro-rheological Gel,ERG)を真空中で使用可能なウェハ固定装置へ応用し,半導体製造プロセスの高速・高精度化を目指す.第1フェーズにおいて,真空対応型ERゲルの製造方法を確立し,真空下での放出ガスが少ないERゲルを開発し,第2フェーズにおいて真空対応型ERゲルの改良と,真空対応型ERゲルを用いた電気粘着固定素子の開発を行った.最終年度は第3フェーズとして,ERゲルを用いたシリコンウェハ高速搬送実験による性能評価を行った.得られた結果を以下に示す. (1)ERゲルを用いたエンドエフェクタの改良 ダストの問題を考慮して,ERゲルがシリコンウェハに接触する面積を極力少なくするために,ウェハ外周から4mmのみをERゲルが接触して電気粘着固定するエンドエフェクタを開発した.ERゲルをハンド先端に2箇所とハンドの根本に1箇所配置した構造とした.実験により電界に応じて十分な固定力を示すことを確認した.また,材料特性の観点から,ERゲルの改良を行い,耐傷性を改善した. (2)高速搬送試験によるERゲル固定機構の性能評価 真空対応型ERゲルの固定素子を搭載したエンドエフェクタをウェハ搬送ステージにとりつけ,高加減速搬送実験を行ってERゲルの固定性能を評価した.その結果,従来のアルミナハンドでは,搬送加速度0.15Gで0.1mmの位置決め誤差が生じてしまったのに対し,ERゲルの電気粘着保持部を持つハンドは,0.5Gの搬送加速度でも0.1mm以下の位置決めを実現した.6万回の搬送動作試験においても,積算繰り返し位置決め精度は0.1mm以下を達成した.
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