Research Abstract |
(1)MRIによる製品把持時の被験者の手ならびに製品表面を高精度に3次元測定した.その3次元測定データより,製品把持時の手指の骨リンク構造の関節回転軸の高精度な3次元位置を同定し,把持時の手指回転運動の誤差が,骨表面において1mm以内の精度をもつ高精度なモデルを構築した.また,従来特に問題であった親指根元部の表皮変形を,RBF補間により表皮表面誤差2mm以内の精度で近似可能な「高精度デジタルハンドモデル」を構築した.この高精度モデルを,データベース駆動型自動把持姿勢生成システムのモデルとして用い,従来に比べて把持接触点位置,把持接触領域ともに実際の把持状態を極めて高精度で近似可能であることを,実験的に検証できた. (2)実製品把持時の手の把持姿勢を非接触3次元デジタイザで計測しデータベースに登録する機能,把持させたい製品の3次元CADモデルと,データベース内の製品表面点群間で形状類似検索を行い,類似する把持姿勢の初期候補を導出する機能,頭部・上肢の骨格モデルなどを組み合わせることで,使用上で妥当と思われる少数の把持姿勢のみを自動選択する機能を開発し,携帯電話,デジタルカメラ,自転車ハンドル等の例で,妥当な把持状態を生成可能なことを検証した. (3)手の筋骨格モデルを導入し,(2)で推定された把持姿勢において,接触力総和と筋発揮力総和を最小とする最適化問題を解くことで,製品把持にとって力学的に妥当な各指の接触力分布を推定できる機能を開発し,その精度と妥当性をシート型圧力センサを用いた実験により確認した. 以上の成果を,精密工学会誌,Int.J.on Interactive Design and Manufacturing等の論文誌5編,ならびにInt.Conf.on Digital Human Modeling等の学会発表6件として公表した.
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