2010 Fiscal Year Annual Research Report
デジタルハンドを用いた実用的な仮想エルゴノミック評価システムの開発
Project/Area Number |
21360067
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金井 理 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (90194878)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城間 祥之 札幌市立大学, デザイン学部, 教授 (90113571)
|
Keywords | デジタルヒューマンモデル / CAD / 人間工学 / 接触変形 |
Research Abstract |
(1)製品把持時におけるデジタルハンド精度の実験的検証 前年度に開発したソフトウエアを用い,複数被験者の手のMRI計測データから手の骨と表皮の3次元モデルを構築し,手指の関節運動を1mm以内の誤差,表皮の形状変形を1.95mm以内の誤差で再現できることを実証した.また自転車ブレーキ部品を把持させた際のMRI計測データから得られた接触領域と,デジタルハンドによる推定接触領域を定量的に比較した.その結果,指先と母指球付近の接触領域は実接触領域を良く近似しており,両者の接触面積差は平均約1500mm^2,デジタルハンド接触面分が両接触領域の共通部分の約79%を占めることが判り,提案するデジタルハンドが実際の把持姿勢・把持接触領域を精度良く近似できることを実証した. (2)デジタルハンドへの手指筋骨格モデルの導入 物体の把持しやすさに深い関係を持つと思われる手指の発揮力や筋・腱力をデジタルハンド上で推定可能とするため,デジタルハンドの指骨データから5指分の筋骨格モデルを構築し,筋応力の二乗和を最小化する非線形最適化によって,指の発揮力と指関節作用力,筋・腱力間の関係を定量的に推定できる機能を開発し,その推定結果を既存文献の実験値と比較した.その結果,つまみ動作,および円筒のPower Graspのいずれにおいても,ほぼ過去の実験結果と類似した指の発揮力と指関節作用力値を推定できることが判った.また手指表皮の3次元変形を QuasiRigidモデルとBoussinesq線形近似により高速高精度に推定可能な理論を提案した. (3)デジタルハンドソフトウエアの製品化とメーカによる評価 本年度半ばまでの本研究成果である把持機能・接触領域推定機能を実装したデジタルハンドのソフトウエアを外部IT企業により製品化し,自転車部品製造メーカの設計部へ納入し,プロ用自転車ハンドルの把持しやすさ推定に有効か否かの評価を社内で2011年1月より開始した,
|
Research Products
(9 results)