2010 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜のナノ・マイクロスケール表面強度評価(MSE)法の確立と表面ナノ加工への展開
Project/Area Number |
21360073
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
岩井 善郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40115291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 知已 福井大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80251982)
宮島 敏郎 福井大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60397239)
神田 一隆 福井工業大学, 工学部, 教授 (60091675)
阿保 正義 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (40231980)
春山 義夫 富山県立大学, 工学部, 教授 (00019225)
宇佐美 初彦 名城大学, 理工学部, 教授 (80278324)
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Keywords | マイクロスラリージェットエロージョン / MSE / 硬質皮膜 / DLC / 表面モルフォロジー / 表面時系列観察法 / スクリーニング試験法 / 表面強度 |
Research Abstract |
薄膜のトライボロジー特性を迅速に評価する微小固体粒子を含む水噴流を用いた評価法(MSE法)に関して、多方面から実験研究を行った。主たる成果は以下のとおりである。 (1) 循環式MSE装置を用いて、各種DLc膜やTiN、TiCなどの単層膜と多層膜について、アルミナ粒子(粒子径;1μm)を投射するMSE試験を実施して、摩耗率のデータを広範に収集した。 (2) TiN膜の摩耗特性に及ぼす結晶配向の影響を調べ、MSE試験とすべり摩耗試験では異なる傾向を示すことがわかった。単結晶シリコンの結晶面の違いがMSE試験とすべり摩耗試験の結果に及ぼす影響を調べ低荷重下では両者に比較的良い相関があり、摩耗率は(111)>(100)>(110)となることがわかった。 (3) 種々の成膜条件で作成されたDLC膜についてMSE試験とすべり摩擦試験を行った。BRDA法によりDLC膜の水素含有率を計測して、水素含有率の増加に伴ってMSE試験の摩耗率及び摩擦係数は増加する新規な知見が得られた。 (4) MSE法における粒子衝突によって生じるDLC膜の変形と損傷について、離散要素法(DEM)による数値シミュレーションを行い、単一粒子の衝突付近で摩耗粉が発生する摩耗過程を再現できることがわかった。さらにモデルの改良を検討して、複数粒子のランダム衝突によるMSE摩耗痕の再現シミュレーションの可能性を提示することができた。 (5) セラミックスおよび超硬合金へのマイクロドライブラスト試験を行い、セラミックスにおいても表面層には大きな残留応力が付与されることを確認した。また、Co層のない超硬合金は高い耐摩耗性を示すことを明らかにし、そのメカニズムを考察して、今後のMSE評価との比較に供した。 (6) MSE装置に粒子投射加工用の試料移動ステージを新たに装備し、高Si含有のアルミニウム合金の微細除去加工による表面形状創成を行い、表面の凹凸形状と投射条件(投射圧力、投射回数、投射角度)の関係を明らかにした。
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Research Products
(19 results)