2010 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ流れでの水系複雑流体の構造制御による機能性発現と医療系μ流動制御への展開
Project/Area Number |
21360080
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
鳴海 敬倫 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20143753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栂 伸司 富山高等専門学校, 国際センター, 准教授 (90270248)
松原 幸治 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (20283004)
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Keywords | 複雑流体 / 機能性流体 / マイクロ流れ / 流動制御 / エレクトロレオロジー |
Research Abstract |
本年度は,まず,レオメータを用いて電解質高分子溶液の微小すきまでの電場下での流動特性の変化を検討した.しかし,電場による十分な差異は確認できなかった.この点は,電場により高分子の移動は生じるものの高濃度域と低濃度域の影響が相殺して,測定される粘度に違いが現れなかったものと考えられる.一方で,マイクロチャネル内の電解質高分子溶液の流れの電場による制御実験も行い,電場印加による影響について,以下の結果が得られた.まず,電場により流路内に高分子の偏在が発生し,速度分布が変化することが明らかになった.その結果,ミリオーダーの流路では流動性が増すが,逆にマイクロオーダーの流路では流動抵抗が増えるという反対のER効果が現れることが発見された.これらの違いは高分子サイズが流路サイズに近いため,高分子の広がりに影響が出た結果と考えられる.一方,陽イオン系の界面活性剤により電気的特性を改善した数ミクロンオーダーの粒子を用いて,同様にマイクロ流路内での挙動を観察した結果,電場下で粒子の流れと直角方向の移動が観察され,流体混合などに利用できることが確認された.また,電場下の粒子挙動については解析的にも検討し,やはり粒子運動が電場で制御できることをシミュレーションからも明らかにした.さらに,粒子分散系の脱塩コロイドを用いた実験では,スリット流れで流れ場の形状により,流動特性に違いが生じることを明らかになった.
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