2011 Fiscal Year Annual Research Report
EFD/CFD融合解析による三次元内部流動診断技術の開発
Project/Area Number |
21360085
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 雅人 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30181449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英男 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70362275)
山田 和豊 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (00344622)
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Keywords | 計算流体力学 / 実験流体力学 / データ同化 / 三次元内部流動 / PSP壁面圧力計測 |
Research Abstract |
前年度までに構築したEFD/CFD融合解析手法を工学的な実用問題に適用することによって,従来解明することが出来なかった非定常三次元流れ現象を詳細に解析した.まず,k-ωの二方程式乱流モデルをベースとしたDES (Detached Eddy Simulation)計算結果と高応答圧力センサーによる非定常壁面圧力計測結果とを用いて,遷音速遠心圧縮機羽根車における翼先端漏れ渦の非定常挙動を調べた結果,翼の空力負荷が上昇すると,翼先端漏れ渦の崩壊が全翼間で発生すること,この崩壊により翼先端全周にわたって現れるブロッケージ効果が翼の失速を抑制することが明らかになった.次に,30個の高応答圧力センサーによるケーシング面圧力の同時面計測結果とDES計算結果とから,軸流圧縮機動翼列における旋回失速の初生メカニズムを解析した結果,翼先端部の小規模な前縁はく離が失速初生プロセスの発端を支配していること,この前縁はく離が竜巻状のはく離渦に成長し,隣接翼の圧力面側に移動して旋回失速の初生が始まること,竜巻状のはく離渦によるブロッケージ効果が翼先端漏れ渦を翼前縁から上流側に吐き出すことが解明された.また,高応答圧力センサーによる翼面圧力計測結果とDES計算結果とに基づいて,半開放形プロペラファンの非定常渦流れ挙動を調べた結果,翼端渦自体に発現する非定常性は低いこと,翼端渦とケーシング面との相対運動に起因した非定常性が極めて高いこと,翼端渦とケーシング面との干渉から翼端渦とは逆巻きのはく離渦(縦渦)構造が形成されることがわかった.さらに,CFD解析との親和性に優れた感圧塗料(PSP)による壁面圧力計測を上述の半開放形プロペラファンへ適用した結果,PSP壁面圧力計測における高精度化を実現するためには,PSPとTSP(感温塗料)の重ね塗りによる温度補償が不可欠であることが明らかになった.
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