2011 Fiscal Year Annual Research Report
多次元マイクロ・プロセス・トモグラフィー法によるバイオ流体チップの開発と計測
Project/Area Number |
21360088
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武居 昌宏 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90277385)
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Keywords | 医療・福祉 / 可視化 / マイクロ・ナノデバイス / 流体工学 / 計測工学 |
Research Abstract |
本年度はフェーズ3「多次元MPTバイオ流体チップにおける微粒子の濃度分布の多次元計測とシミュレーション」を行った。主な、実施項目は、次の通りである。 (1)濃度分布アルゴリズムの開発:相関法を用いた濃度分布の計算のためのアルゴリズムを開発した。 (2)マイクロ流路内の微粒子挙動の多次元MPTによる可視化計測実験:マイクロシリンジポンプから多次元MPTバイオ流体チップ内に、流量、供給量を変化させて、その粒子濃度分布を可視化計測し、データベースを構築した。 (3)実験結果を検証するために、オイラー・ラグラジュアン法のプログラミングとシミュレーションを行った。 (4)まとめ:全実験データを基にして、実験結果とシミュレーション結果の精度の確認を行った。 より具体的には、1年目(フェーズ1)で製作した管路断面に12個の5断面、合計60個の電極からなる流体チップを用いて、流体チップのひとつ入口から微粒子を挿入し、他の入口から脱イオン水を流入させ、微粒子の濃度分布を3次元的に可視化計測した。その結果、入り口付近では、管路中心に高い濃度分布を表し、急峻な濃度分布が確認された。そして、下流側に移行するに当たり、微粒子が拡散していき、その濃度勾配はフラットになっていく過程を3次元的に可視化計測した。その結果を踏まえて、実験条件と同じ条件で、混相流のオイラー・ラグラジュアン法を用いたシミュレーションを行い、微粒子の3D濃度分布を計算し、実験結果の検証を行った。その結果、入口付近では、誤差は1%以下であり、下流に行くほど両者の誤差は5%程度であった。サフマンカとマグヌスカとの計算を省略しており、その影響が高いとの結論を得た。最後に、微粒子混相流の多次元フローサイトメトリーの実現可能性を検討した。
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