2011 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ加熱法を用いた火炎面曲率制御によるFlame Dynamicsの研究
Project/Area Number |
21360090
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤田 修 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10183930)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 祐二 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (50303657)
伊東 弘行 北海道大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30372270)
|
Keywords | 燃焼 / 予混合火炎 / 音響振動 / 不安定現象 / レーザ / 乱流火炎 / 火炎曲率 / ルイス数 |
Research Abstract |
予混合火炎の曲率と不安定性の関係について、以下の2つの実験をH22に引き続いて実施した。 実験(1)エチレン空気予混合気(Le<1)を内径50mm、長さ450mmの伝播管に封入し、その一端に火花点火を行った後、着火端側からCO_2レーザを照射し、火炎の変形と管内音響振動の相互作用を調べた。 成果:火炎の変形がある臨界値を越えると音響振動場との相互作用により火炎先端に負の曲率(凹型形状)が現れ、これを切っ掛けとした火炎表面積および火炎伝播速度の急激な増大よる乱流燃焼への遷移が生じることがわかった。次に、レーザの照射方法を従来の連続照射から短時間照射へと変える実験を行った。これは、レーザにより予混合気へ与えたエネルギーを特定できるようにするためである。この実験から、レーザ強度を一定に保ち照射時間を少しずつ増加させていくと、火炎が乱流状態へ遷移する臨界照射時間の存在することがわかった。また、平面火炎に短時間照射を行った場合、火炎の中心に生じた変形は周辺へ向かって同心円上に伝播する挙動の生じることがわかった。さらに、伝播管内を燃焼速度の遅い混合気を下方に伝播させると、火炎表面にセル状火炎が生じるが、この火炎にレーザを照射することでセル状火炎を任意のタイミングで消滅させることができることから、本レーザ照射法がセル状火炎の発生消滅機構に対して有力な研究手段となることが示された。 実験(2)Leの異なるエチレン空気予混合気(Le<1およびLe>1)を一様流速で下方に噴出し平面火炎を形成する。その中心にCO_2レーザを照射した際の火炎の変形およびその後の不安定性進展の観察を行った。 成果:レーザを照射することで火炎を任意の形状に制御することができるが、この時の火炎伝播速度はLe<1の時の方が大きくなった。すなわち、レーザ照射により火炎に正の曲率を与えた場合、Leが小さい方がその不安定性がより大きくなると言える。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究はほぼ順調に推移している。火炎変形と音響振動の相互作用や平面火炎に生じる変形とLeの相互関係など、研究目標に掲げた項目に対し、着実に成果が得られていると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画に沿って実験を継続すると共に、既に公表済みの論文で提示している物理モデルに基づく数値的検討などを推進していく計画である。また、本年度は研究期間の最終年度であることから、種々の学会で可能な限り成果の公表を行っていく計画である。
|
Research Products
(6 results)