2010 Fiscal Year Annual Research Report
プラスチック射出成形工程の排熱を利用した金型温度制御消費エネルギーの革新的削減
Project/Area Number |
21360093
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 勲 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10170721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齊藤 卓志 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (20302937)
川口 達也 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40376942)
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Keywords | プラスチック射出成形 / 金型温度制御 / 排熱利用 / 消費エネルギー / 生産性 / ヒートパイプシステム |
Research Abstract |
研究計画の第2年度である本年度は、プラスチック射出成形プロセスに存在する排熱源を想定したモデル金型温調ヒートパイプシステムを構築し、その動作特性を評価した。主な成果は以下の通りである。 (1)2台のモデル金型と、排熱源を熱源とするボイラ、冷却水を冷熱源とするコンデンサからなる熱エネルギー融通型ヒートパイプシステムを構築し、その動作を確認した。 (2)高温モードの金型と低温モードの金型間の熱融通、あるいは中間温度まで昇温した高温モードの金型と排熱源ボイラ間の熱移動など、温度差が限られる場合には、高温部・低温部間の圧力差が小さいため、バルブの切り替えだけでは蒸気輸送が直ちには始まらない現象が見られた。これを回避するためには、外部真空ポンプを用いて切り替え時に瞬間的に蒸気輸送をアシストすることが有効であることがわかった。 (3)実成形条件における高温モード・低温モード温度ならびに排熱源温度を想定して運転を行った結果、ボイラからの加熱時に18.2kW/m^2、コンデンサでの冷却時に9kW/m^2、金型間の熱融通時に8kW/m^2の最大熱流束を得た。 (4)熱融通後に追加熱・追冷却を行うと熱抵抗が増加する傾向が見られた。これは熱融通に伴う蒸気輸送で生じた凝縮液により高温側金型内の相変化媒体の不足、低温側金型での過剰を引き起こすためであると考察された。 最終年度である次年度は、以上の知見をもとに、実際の成形システムに相当するヒートパイプシステムを構築し、エネルギー融通効率、エクセルギー消費抑制効果を検討する。
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