2009 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造面における固液気三相接触のミクロ機構の究明と高機能化の探索
Project/Area Number |
21360099
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
長山 暁子 Kyushu Institute of Technology, 大学院・工学研究院, 准教授 (60370029)
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Keywords | 熱工学 / 表面・界面物性 / ナノ構造 / 三相界面 / MEMS / NEMS |
Research Abstract |
固体・液体・気体の三相界面における異相間接触のミクロ機構は,界面のエネルギー・物質移動現象を支配し,高エネルギー輸送デバイスや燃料電池の性能を左右する重要な役割を演じる.固液気の接触特性を表す界面濡れ性は,マクロなパラメータである液滴の接触角でよく評価されるが,原子・分子レベルから見れば固液気の異相分子間相互作用に依存し,また,蓮の葉のように異相間接触面のナノ構造によって制御できる.これより,三相界面の異相間接触面構造をナノスケールでコントロールすることによって界面のエネルギー輸送・物質移動を促進させ,高エネルギー輸送デバイスや燃料電池の高機能化の実現が可能と考えられる.本研究では,ナノ構造面上の液滴と気泡を対象とした分子動力学シミュレーションおよび三相界面のミクロ観察の両面から,三相界面を構成する気液界面,固液界面と固気界面の本質を分子レベルから理解し,ナノ構造面における三相界面の特異性を解明し,総合的に三相界面のミクロ機構を究明することを目指す.初年度では,分子動力学法を用いてナノ構造面における固体・液体・気体の三相界面のメカニズム解析を行い,ナノ構造内における液体分子と固体壁面分子との異相接触状況を調べ,有効濡れ率として評価した.分子動力学解析と同時に,マイクロスコープよりマイクロ・ナノ構造を有するシリコン表面における液滴の三相界面のミクロ観察を進めた.その結果,有効濡れ率はマイクロ構造による固相率の変化とナノ構造によるフラクタル次元の変化に依存することを明らかにし,接触角が分子動力学解析や新たに構築した理論モデルとよく一致することを検証した.
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Research Products
(7 results)