2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ構造面における固液気三相接触のミクロ機構の究明と高機能化の探索
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21360099
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
長山 暁子 九州工業大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (60370029)
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Keywords | 熱工学 / 表面・界面物性 / ナノ構造 / 三相界面 / MEMS/NEMS |
Research Abstract |
固体・液体・気体の三相界面における異相間接触のミクロ機構は,界面のエネルギー・物質移動現象を支配し,高エネルギー輸送デバイスや燃料電池の性能を左右する重要な役割を演じる.三相界面の異相間接触面構造をナノスケールでコントロールすることによって界面のエネルギー輸送・物質移動を促進させ,高エネルギー輸送デバイスや燃料電池の高機能化の実現が可能と考えられる.本研究では,ナノ構造面上の液滴と気泡を対象とした分子動力学シミュレーションおよび三相界面のミクロ観察の両面から,三相界面を構成する気液界面,固液界面と固気界面の本質を分子レベルから理解し,ナノ構造面における三相界面の特異性を解明し,総合的に三相界面のミクロ機構を究明することを目指す.今年度では,分子動力学法を用いてナノ構造面における固体・液体・気体の三相界面のメカニズム解析を行い,ナノ構造内における液体分子と固体壁面分子との異相接触状況を調べ,界面抵抗が熱・物質伝達特性に及ぼす影響を調べた.分子動力学解析と同時に,マイクロスコープよりナノ・マイクロ階層構造を有するシリコン表面における液滴の三相界面のミクロ観察を進めた.その結果,ナノ・マイクロ階層構造面はマイクロ構造面より疎水性が強化され,階層構造の自己相似性を考慮すれば修正モデルを用いることで表現できることを明らかにした.さらに,ナノ・マイクロ構造面が液滴の蒸発および凝縮伝熱に寄与することを検証し,燃料電池三相界面の活性化エネルギーを低下させる効果があることを実証した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ナノ構造面に関する分子動力学解析および実験はおおむね順調に進展しており,結果の一部は学会にて発表したが,学術雑誌への投稿準備に時間をかかっており,論文公表が遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は最終年度のため,研究総括および成果公表に力に入れたい.研究を遂行する上,従来のMEMS技術ではナノ・マイクロ構造面の作製工程が長く,作製コストが高くことから,今年度は超精密印刷技術による作製法を試み,より複雑な構造を作製できるよう努める.
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Research Products
(9 results)