2010 Fiscal Year Annual Research Report
加圧式静電浮遊法による高融点酸化物融体の熱物性計測システムの構築
Project/Area Number |
21360104
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
石川 毅彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (00371138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 純平 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (90373282)
依田 眞一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (00344276)
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Keywords | 高温融体 / 熱物性 / 無容器プロセッシング / 密度 / 表面張力 / 粘性係数 |
Research Abstract |
高温融体の熱物性値は、数値シミュレーションによる結晶成長・鋳造プロセス等の最適化に不可欠な基本データである。しかし、2000℃を超える高融点材料は、適切な試料保持容器が無いために、熱物性測定が容易ではない。そこで、浮遊法を用いた測定手法の開発が進められてきた。我々は、高真空環境における静電浮遊法を用いた熱物性測定システムを独自に構築し、タングステンを含む高融点材料の密度、表面張力、熱物性測定に成功した。しかし、高真空環境下では試料蒸発の影響が顕著になる。このため酸化物では酸素が抜けてしまう現象が観察され、測定を困難にしている。本研究は、現在の高真空環境下を用いる熱物性計測システムを加圧ガス雰囲気へ拡張し、高温酸化物融体の熱物性測定を行うことを目的としている。 本年度は、昨年度製作した加圧式静電浮遊炉チャンバーに光学系及び制御系を取り付け、静電浮遊炉を組み立てるとともに、アルミナを用いた浮遊溶融実験を試みた。5気圧に加圧して試料を浮遊させて加熱していくと、試料の位置検出が困難となり、試料が落下した。試料周りの気体が試料からの熱で暖められ、屈折率が変化することによって位置検出用のレーザー光が正しく試料の影をディテクターに投影出来ないことが原因であることを突き止あ、位置検出方法の改良を行った。その他、高温試料の窒化による表面電荷の損失など、これまでの真空雰囲気とは異なる現象も明らかとなった。 来年度は、明らかとなった技術課題を克服して、酸化物融体の浮遊と熱物性計測を達成する予定である。
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Research Products
(8 results)