2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360107
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
森下 信 横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (80166404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 俊彦 横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (30361877)
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Keywords | 機械力学・制御 / 制御機器 / 機能性材料 / 磁気応答性ゲル / 磁気粘性 / 可変減衰ダンパ |
Research Abstract |
本研究では内部架橋構造が柔軟な特殊機能性ゲルの内部に磁性粒子を分散させ,外部磁場強度によりゲルの粘弾性特性を制御することのできる磁気応答性ゲルを開発することを当初の目的のひとつとした.それをダンパに応用することで可変ダンパを試作し,さらにその可変ダンパによって機械構造物の適応的制振を実証することを目的とした.同様な磁気粘性特性を有する流体としてMR流体が知られているが,MR流体は粒子の沈降が問題となっており,本研究で提案する機能性ゲルはその問題点を解決できる機械要素として特徴づけることができる.開発する磁気応答性機能性ゲルの最大の特徴は,架橋構造の変化による粘弾性体としての高い耐久性,線形性および分散粒子の安定性である.機能性ゲルの測定装置として,粘弾性測定装置および流動性測定装置の開発を行い,機能性ゲルの特性を把握した.その結果,ゲルの硬さについて問題があり,磁場に応答して磁性粒子による降伏応力の変化は測定できたが,ダイナミックレンジが小さいために応用分野が限定されることが明らかになった.そのために,ゲルと同様な構造を有するグリースに注目した.ゲルとグリースは内部に3次元網目構造を有する繊維を含むという意味では相違はなく,ただ繊維の質が異なっている.グリースに磁性微粒子を分散させることで,当初意図した粒子沈殿問題は解決することができ,この磁気粘性グリースを用いて可変ダンパを製作し,その特性を明らかにした.さらに粒子沈降特性を定量化するために遠心分離器を用いて沈降特性の定量化を行った.さらに磁気粘性グリースを用いた可変ダンパを構造模型に設置して振動制御実験を行い,複数のモードの振動抑制ができることを実験的に明らかにした.
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Research Products
(3 results)