2010 Fiscal Year Annual Research Report
流体操作を利用した能動嗅覚センサの開発と匂い・ガス源探知ロボットへの応用
Project/Area Number |
21360113
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
石田 寛 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80293041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 茂樹 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20143381)
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Keywords | 知能ロボテックス / 能動センシング / ガスセンサ / 嗅覚 / 数値流体力学 / エアカーテン |
Research Abstract |
本研究は、嗅覚を搭載したロボットの開発を目的とする。昨年度に開発した能動ステレオ嗅覚センサを搭載するため、本年度は遠隔操作可能な自律移動ロボットを用意し、多関節ロボットアームを作製した。廊下を巡回する警備ロボットがガス漏れを嗅ぎ付けた状況を想定し、6自由度のアームの先端にセンサを取り付けた。ドアと床の隙間を通り室内から廊下に漏れ出てくる希薄なガスを検出するため、ドアの前に停止した移動ロボットからアームを伸ばし、ドアの左端から右端までアームを動かしながらガスセンサ応答を測定する。当初はアームの動作がぎこちなかったので、モータに送られる制御命令の遅延時間を測定するためにシリアル通信解析機能を備えたオシロスコープを購入し、アームの逆運動学解析を行いながら制御パラメータを調整して、アームの動作を改善した。左右のガスセンサの応答を比較してガス源の方向を判定した結果、ガス漏れが発生した部屋のドアの中央付近を指すような方向が得られた。廊下に多数並んだ部屋のうち、どの部屋からガスが漏れているか突き止めるために、本システムが有効である。 また、今年度も引き続き、ガス源探知ロボット開発のためのデータベース構築に取り組んだ。幅広い環境に適用可能なロボットの実現を目指し、様々な環境で気流場やガス濃度分布の計測を行った。収集したデータはサーバコンピュータに蓄積し、他研究グループにも公開する。これまでに収集したデータを解析した結果、微風速環境ではロボットに搭載した電子機器の発熱を無視できないことが分かった。環境内のガス濃度分布が熱対流によって乱されているため、次年度に対策を検討する。さらに、遺伝子組み換えにより嗅覚受容体を発現し、化学物質に応答すると発光を呈する酵母細胞を用い、バイオ嗅覚センサの開発を試みた。微弱発光の測定システムを作製し、化学物質に対する酵母の応答を確認することができた。
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