2011 Fiscal Year Annual Research Report
流体操作を利用した能動嗅覚センサの開発と匂い・ガス源探知ロボットへの応用
Project/Area Number |
21360113
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
石田 寛 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (80293041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠山 茂樹 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20143381)
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Keywords | 知能ロボティックス / 能動センシング / ガスセンタ / 嗅覚 / 数値流体力学 / エアカーテン |
Research Abstract |
本研究は、嗅覚を搭載したロボットによりガス源の自動探索を実現することを目的とする。昨年度までに開発した能動ステレオ嗅覚センサは、ポンプで空気を吸引し、左右のセンサにガスを引き寄せて検出する。また、吸引した空気を左右のガスセンサの間から噴出してエアカーテンを形成し、ガスセンサの応答差を拡大してガス源の方向を判定する。今年度は、能動ステレオ嗅覚センサの周囲に形成される気流場の数値流体力学シミュレーションを行うと共に、エアカーテン生成による方向判定成功率の向上度を実験的に検討した。この結果、エアカーテンを前方だけでなく上方や下方にも形成し、ガスの回り込みを低減することにより、ガス源の方向判定成功率を向上できることが分かった。実際にオフィスルームが並ぶ廊下で実験を行った結果、ロボットアームを使って各部屋のドアにセンサを近づけることにより、検出したガスがその部屋から漏れ出てきたものか否かを高い成功率で判定することができた。 さらに、新たな能動ステレオ嗅覚センサの開発も行った。ポンプの代わりにペルチェ素子を用い、ガスセンサの周囲に熱対流を生成する。ペルチェ素子の発熱部から立ち上る上昇気流を利用し、床面付近を漂うガスをセンサの高さまで引き上げる。同時に、冷却部から下降する気流をエアカーテンとして用い、左右のガスセンサの応答差を拡大する。実際にセンサを試作し、ガス源探索に有効であることを示した。 遠方でガスを検出した際に、ガス源位置を推定してロボットをガス源付近まで導くアルゴリズムの検討も行った。乱流中に広がるガスの空間分布に対して適切なモデル式を用意することにより、複数地点で観測したガス濃度の値からガス源位置をおおよそ推定可能であることを示した。また、粒子フィルタを用いてガスセンサ応答のドリフトを補正するアルゴリズムを開発し、探索が長時間にわたる場合に有効であることを示した。
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