2009 Fiscal Year Annual Research Report
磁気で力を測る:指タップ力計測法の提案とパーキンソン病診断支援システムの開発
Project/Area Number |
21360118
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
辻 敏夫 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 教授 (90179995)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 良幸 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40336920)
吉[ズミ] 正生 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (20282626)
|
Keywords | 指タップ運動 / パーキンソン病 / 指タップ力計測 / 磁気センサ / 非線形弾性モデル / 自律神経活動 / 指尖容積脈波 / 血圧 |
Research Abstract |
本研究では指タップ運動を対象として,(1)磁気と生体機械特性を利用した指運動と指間力の同時計測法の提案,(2)指運動・指間力に基づく新たなパーキンソン病診断支援システムの開発を目的としている.今年度は,各項目に対応した以下の2点について研究を進めた. 1. 磁気を利用した指間力計測法の提案 まず人間の指腹表面に加わる応力f(t)と皮膚表面の変形量ε(t)の関係を非線形弾性モデルにより定式化した.そして,通常の指タップ運動時の指間距離を磁気センサにより計測し,指間距離が指の厚み以下になったときの変形量ε(t)を計測し,この変形量ε(t)と非線形弾性特性から指間力f(t)を求める方法を開発した.以上の方法を用いて被験者による実験を行い,(a)非線形弾性モデルにより指間力f(t)と変形量ε(t)の関係を十分な精度で近できること,(b)磁気センサと同時に第一背側骨間筋から筋電図を計測し,推定した指間力と積分筋電の間にある程度の相関がみられること,(c)患者と若年健常者の指タップ中の指間距離を比較した結果,両者の間に有意な差がみられることなどを明らかにした。 2. 自律神経活動解析法の開発 神経支配された指タップ運動を正確に評価するためには,指タップ運動中の自律神経状態を的確に把握する必要がある.そこで,まず被験者の第3指にパルスオキシメータを,第4指に非観血連続血圧計を装着し,パルスオキシメータから求めた指尖容積脈波(血管の容積変化に相当)と血圧(血管内圧)の関係を機械インピーダンスモデルにより表現した.そして容積変化と圧力の比に相当する血管スティフネスにより自律神経の活動状態を定量化する方法を考案した.今年度は,(a)粘弾性モデルにより容積変化と圧力の関係を十分な精度で近似できること,(b)血管スティフネスと交感神経活動の間に高い相関がみられることなどを明らかにした.
|
Research Products
(3 results)