2009 Fiscal Year Annual Research Report
キャスティング作業システムを用いた器用な遠隔物体操作に関する研究
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21360122
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
有隅 仁 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 知能システム研究部門, 主任研究員 (00356388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 行生 国立大学法人東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20216914)
中坊 嘉宏 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 研究員 (70360609)
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Keywords | ロボット / マニピュレーション / 動力学 / ワイヤ駆動 / 視覚フィードバック |
Research Abstract |
まず,グリッパを精度よく投擲する方法を検討した.具体的には,滑らかな加減速軌道で剛体アームを揺動させてワイヤ先のグリッパを周期的に回転運動させ,ワイヤを拘束するブレーキの応答性を考慮して所望の位置でワイヤを解放し,目標点へ投擲する手法を提案した.開発した3次元空間用動力学シミュレータを用いて提案手法の有効性を検証し,目標位置ヘグリッパが到達可能であることを確認した.なお,実際にはグリッパの投擲中に繰り出されるワイヤが,そのガイド部における摺動により摩擦力を受けるので,この補正方法の解明が今後の課題として残った.次に,ワイヤ張力を微小な大きさから瞬間的で非常に大きな大きさまで制御可能なワイヤ繰り出し機構を提案し,そのワイヤ張力制御特性の把握を解析的・実験的に行った.まず,釣りのスピニングリールの構造を基本とし,そのロータの回転を制動するトルクとロータとワイヤの接触位置(ロータの有効半径)の2つのパラメータによりワイヤ張力を制御する機構を提案した.そして,静力学モデルを構築してロータトルク・有効半径とワイヤ張力との関係を導出した.さらに,その結果に基づき実験機を製作し,この関係を実験的に把握した.その結果,2つの制御パラメータにより広範囲に張力が制御できること,および実験結果と静力学モデルから計算した結果とがほぼ同様の傾向であることが確認できた.同時に,解析精度向上のために解析モデルの改良が今後の課題として残った.続いて,地面を引きずることなく空中で目標物体を高速に移動させて回収する動作方法について検討した.ここでは,ワイヤに弾性効果を付加することによりワイヤの引っ張り時のエネルギー散逸を抑制し,剛体アームの振りによる慣性を利用して把持物体を動的に引き上げる方法を提案した.開発した基礎実験用の装置により,地面に置かれた把持物体を瞬時に引き上げ,ロボット本体付近に設定した目標点へ到達させる動作を実現した.最後に,高速移動物体の実時間位置測定技術に関する研究動向調査を行い,許容画素(512×512)画像に対して2000fpsでの実時間画像処理と映像記録を同時実現する高速ビジョンシステム(広島大開発)が,本研究における移動物体の高精度な測定に利用可能であることが分かった.
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Research Products
(1 results)