2011 Fiscal Year Annual Research Report
キャスティング作業システムを用いた器用な遠隔物体操作に関する研究
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21360122
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
有隅 仁 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (00356388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 行生 国立大学法人東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (20216914)
中坊 嘉宏 独立行政法人産業技術総合研究所, 知能システム研究部門, 主任研究員 (70360609)
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Keywords | ロボット / マニピュレーション / 動力学 / ワイヤ駆動 / 姿勢制御 / リリース機構 |
Research Abstract |
大ダイナミックレンジの張力制御を行うにあたり昨年度までの大きな課題であった小張力の安定発生を実現するために,ブレーキ等による力制御を行うのではなく,固定・解放の2状態を切り換えるクラッチ,ばね,ばねの伸びを制御する直動駆動系からなる新たな張力制御機構を考案し,その設計,試作を行った.そして,グリッパの運動を模擬するモータと本張力制御機構を組み合わせた実験装置を用い,張力制御機構の動力学モデルを構築し,パラメータ同定を行った上で目標張力を得るための制御入力決定を行った.これにより,力センサを用いることなく変位センサの情報のみで滑らかな張力制御を可能とした.さらに,グリッパの落下運動を本張力制御機構により制御する実験を行い,本機構によりグリッパの運動が滑らかに変化させ得ることを確認した.次に,高所にアクセスしたグリッパを落下させてロボット本体側で回収する動作を取り上げ,グリッパの運動エネルギーの損失を抑えながら連続的に速度方向を変えることにより,落下時の放物運動を動的に安定な回転運動に変換する方法を検討した.具体的には,リールの巻き取りによる目標放物軌道の生成アルゴリズム,ならびにバネ・ダンパを含むスライダーをワイヤとともに移動させてワイヤ方向の振動を抑制する機構を開発し,放物運動から円運動への変換時における運動誤差の影響を抑制する技術を確立した.また,物体を目標位置で放して配置するために,所望の点での目標運動状態と実際の運動状態との差を最小にする最適化による運動計画法を構築した.さらに,受動的に物体を把持し,能動的に4本の指が開いて把持物体を解放できるグリッパ機構を開発し,物体をリリースする動作を実現した.最後に,グリッパに組み込んだ加速度計・ジャイロの信号を無線で制御システムに通信するユニットを製作し,飛行物体の姿勢等の運動状態を検出可能であることを確認した.
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