2009 Fiscal Year Annual Research Report
圧電単結晶チップの共振を利用して電圧変換を行うコイルレス超小型ACアダプタの実現
Project/Area Number |
21360125
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
広瀬 精二 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 教授 (70007201)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 英樹 山形大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90396581)
青柳 学 室蘭工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80231786)
高野 剛浩 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085411)
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Keywords | エネルギー効率化 / 結晶工学 / 省エネルギー / 電力工学 / ACアダプタ |
Research Abstract |
平成21年度には下記の項目について実施した。(I)圧電単結晶LiNbO3を用いた圧電トランスの形状・使用方法の検討:異方性のあるLiNbO3に適した振動パターンであるラーメ・モードの2倍ならびに3倍周波数モードを使用して,(a)不要振動の除去方法について詳しく解析し,また本研究費により購入した周波数特性分析器FRA5097を用いた実験により検証した。この結果,支持によって不要振動を抑圧できることを確認した。これにより,安定駆動が可能であることが検証できた。(II)圧電トランス特性の結晶カット角依存性の検討:対象とする圧電トランス構成について,カット角と出力電力,効率の関係を明らかにした。この結果,最適カット角は138°であることがわかった。表面波フィルタなどに多く利用されて流通量が多いカット角128°の結晶でも若干の効率低下はあるものの十分に使用に耐える電力効率が得られることが分かった。(III)圧電トランスのパワー特性測定用システムの構築:単結晶LiNbO3のラーメ・モード振動はどの程度のパワー駆動に耐えられるかについては未知の状態である。このようなパワー印加特性を調べるための測定システムが大変重要となってくる。ここでは,パワー特性測定システムを作製して,周波数追尾型の自動計測システムを作製し,いくつかのサンプルについてパワー試験を行った。この結果,安定に高パワーまで迅速に測定できるシステムを構成することができた。(IV)圧電トランスの駆動・制御回路の作製:直流をFETスイッチングして得られる矩形波で圧電トランスを駆動する,ACアダプタ駆動回路について基礎的検討を行った。この結果,スイッチング用FETのオン抵抗とFET電極間容量が効率特性に大きな影響を与えることがわかった。この影響によって圧電トランス自体の高性能な機能を引き出せないことが明らかになり,今後への大きな指針が得られた。
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