2011 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導ケーブルの合理的絶縁設計・試験技術に関する研究
Project/Area Number |
21360128
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
早川 直樹 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (20228555)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大久保 仁 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90213660)
小島 寛樹 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 准教授 (00377772)
花井 正広 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (00587446)
|
Keywords | 超伝導ケーブル / 液体窒素 / 部分放電 / 部分放電開始電界 / 誘電損失 / サブクール / 電気絶縁 / 絶縁設計 |
Research Abstract |
本研究では,高温超伝導ケーブルの実用化に対する技術的障壁の一つである極低温環境下の電気絶縁特性を調査し,高温超伝導ケーブルの合理的な絶縁設計・絶縁試験に資するデータを取得・体系化することにより,環境調和型エネルギーシステムにおける高温超伝導ケーブルの信頼性を確保することを目的としている.本年度の主な知見は以下の通りである. (1) 高温超伝導ケーブルの放電メカニズム 高温超伝導ケーブルの冷却・絶縁媒体であるサブクール液体窒素(SLN2)の圧力および温度を制御し,準平等電界下におけるSLN2の絶縁破壊特性に関する体系的データを取得した.その結果,加圧・冷却によりLN2をSLN2の状態にすることで気泡の体積が縮小し,さらに気泡の発生が抑制されることを明らかにした.特に,LN2 (T=77K, P=0.1MPa)の絶縁破壊に寄与する電界レベルの最大電界に対する割合(α[%])は82~83%であり,加圧・冷却によってSLN2のαが87~93%に上昇した.すなわち, SLN2中における気泡の大きさおよび数の減少に伴い,絶縁破壊に寄与する電界レベル(α)が上昇し,高電界体積の減少とともに絶縁破壊電界が上昇したと考えられる. (2) 高温超伝導ケーブルの絶縁設計指針 275kV高電圧超伝導ケーブルの高絶縁性能と低誘電損失の両立・最適化に向けた新しい絶縁材料として,Tyvek/PE合成紙の適用可能性を調査した.その結果,Tyvek/PE合成紙の部分放電開始電界は,PPLP-Cと同等であることを明らかにした.また,Tyvek/PE合成紙を275kV超伝導ケーブルに適用した場合の誘電損失は,PPLP-Cを用いた従来の275kV超伝導ケーブルの21%に低減することを示した.これは,交流損失を含めた全損失が41%に低減することを意味する.
|
Current Status of Research Progress |
Reason
23年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
23年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)