Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 晃正 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00335374)
高 義礼 釧路工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (80335091)
塩澤 俊之 中部大学, 工学部, 教授 (40029210)
嶺岸 茂樹 東北学院大学, 工学部, 教授 (70146116)
川又 憲 八戸工業大学, 工学部, 教授 (00244905)
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Research Abstract |
(1)静電気放電に伴う広帯城過渡電圧・電流変動の測定システムを用いて,放電に伴って発生する放射電磁波特性について検討を行った。その結果,静電気放電による放射電磁波の振幅特性は,一概に放電電圧には比例せず,電極間の絶縁破壊電界値あるいは電極表面形状などの影響を大きく受けることを確認した。さらに,放射要素を極力取り除いた球状の電極おいては,放射電磁強度は電極自体の静電容量に比例することを確認した。 (2)帯電人体からの金属棒の接近放電で生ずる放電電流の測定波形と人体インピーダンスの広帯域周波数特性から,本来は直接測定できない放電電圧波形を導出し,これと電流測定波形とから絶縁破壊時の電位傾度を推定した。その結果,火花に続きアークまたは異常グローの別放電が発生していることが確認でき,その際の火花長は20-30μm,電位傾度は(2-3)×10^7V/mの値となることがわかった。 (3)帯電人体の放電による発生電磁界の伝播モデルを構築した。解剖学的人体数値モデルを用い,各組織の電気定数は4極のデバイ型分散式でモデル化した。帯電人体から金属棒を介して接地金属板へ放電した際の体内電磁界,体表面電流(体表面磁界)をFDTD法でシミュレートした。その結果,1kVの帯電では金属棒から100psの立ち上がり時間の放電電流が流出し,体表面電流は金属棒をもつ手指から腕を介して胴体を光速で伝播し,頭上までの到達時間は約1011sであった。数値コードの妥当性は,人体被験者による帯電実験から金属棒からの放電電流波形を帯域18GHzの広帯域ディジタルオシロスコープ測定し,これがシミュレーション波形と概ね一致することを確認した。 (4)人体ESDに伴う電子機器のイミュニティ評価に関して,広帯域電磁波と回路基板との電磁結合のモデル化を行うための検討として,ESDが発生する広帯城電磁波の時間領城測定方法について理論的・実験的検討を行った.ESDによる電界波形を再生するために必要となる,受信アンテナの複素アンテナ係数の測定理論及び方法,電界波形再生の方法と実際の測定波形について示した。
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