2011 Fiscal Year Annual Research Report
人体ESDの放電物性に基づく回路論的モデル化とEMC問題への応用
Project/Area Number |
21360129
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤原 修 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60135316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平田 晃正 名古屋工業大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00335374)
高 義礼 釧路工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (80335091)
嶺岸 茂樹 東北学院大学, 工学部, 教授 (70146116)
川又 憲 八戸工業大学, 工学部, 教授 (00244905)
石上 忍 情報通信研究機構, 電磁波計測研究所電磁環境研究室, 研究マネージャ (80242345)
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Keywords | 静電気放電 / 放電物性 / 電磁界の刺激作用 / 超広帯域モデル化 / 超広帯域測定 / イミュニティ |
Research Abstract |
1.人体ESDに伴う放電現象で生ずる放射電磁波特性について,放射電磁波強度は,電極の静電容量および充電電圧(充電電荷量)が支配する「放電エネルギー」と,放電によって発生する過渡変動の時間的速さ「過渡時間特性」,さらには放電電極の形状によって構成される系の「アンテナ効果」が相互に関係していることを確認した。また,低電圧ESDによる広帯域放射電磁波のセンシング手法としてTEM(Transverse Electromagnetic Mode)ホーン構造のセンサを用いた手法を提案し,実験的検討により広帯域過渡電磁界のセンシング法として妥当性を示した。 2.ESDガンのEUTへの接触放電を,ノートンの定理からグラウンドへの注入電流波形(≒校正電流波形)を電流源とする等価回路モデルで表現し,ESDガンの出力インピーダンスとEUTの注入点ピーダンスを因子として含む放電電流の計算式を導出した。検証のため,EUTとした直径の異なる金属円板への接触放電に対する放電電流を計算式から求め,これを近傍磁界による推定電流と比較したところ,両者の波形はほぼ一致し,電流ピークの円板サイズ依存性も概ね一致したことから,等価回路モデルの妥当性を示すことができた。 3.解剖学的人体数値モデルを対象として,放電で生ずる電磁パルスは組織の分散特性と体内の多重反射によって伝播と共に波形が歪み減衰すること,パルス幅はナノ秒オーダーでUWB通信系において利用されるものと同じ程度であること,などを明らかにした。 4.ESDの広帯域時間領域精密測定のための基礎的検討として,ESDが発生する広帯域電磁波を測定するための広帯域アンテナの設計及び評価を行っ結果,200MHzから2GHzまでの広帯域周波数特性を高利得で測定することができ,平成21年度及び22年度において検討した時間領域測定技術に同アンテナを用いることで、ESD電磁界を精密に測定できることを明らかにできた。
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