2009 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導マグネットによる高安定・高均一な高磁界発生のためのミクロ電磁現象制御
Project/Area Number |
21360132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
雨宮 尚之 Kyoto University, 大学院・工学研究科, 教授 (10222697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 武恒 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30303861)
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Keywords | 超伝導マグネット / 高温超伝導 / NMR / MRI / 加速器 / 電磁現象 / 磁界精度 / 遮蔽電流 / 残留磁化 |
Research Abstract |
Bi2223テープ線材で巻かれたパンケーキコイルを積み重ねた軸対称コイル、レーストラックコイル2個を組み合わせたダイポールマグネットの二つの試験用コイルについて、コイル内磁界の測定を行った。前者については、コイル内部3カ所に設置したホールセンサで測定を行い、後者については、ボア内に回転ピックアップコイルを設置して磁界の多極成分の測定を行った。いずれのコイルにおいても、線材内の遮蔽電流に起因する付加的磁界(ミクロ電磁現象による誤差磁界)の実験的検証に成功した。 コイルを構成したBi2223テープ線材の通電特性を液体窒素中で測定した。 高温超伝導テープ線材に対して薄板近似を適用し、その超伝導特性をパーコレーション遷移モデルやn値モデルで表現し構成方程式を与え、マックスウェルの方程式を支配方程式として、実験に用いたパンケーキコイルを積み重ねた軸対称コイルとレーストラックコイル直線部の電磁現象シミュレーションを行った。電磁現象シミュレーションによってコイルに巻かれた高温超伝導線材内部の電流分布(ミクロ電磁現象)の可視化に成功し誤差磁界発生機構を明らかにした。さらに、このミクロ電磁現象を考慮したマグネットの発生磁界と線材内の電流分布が一様であると仮定した場合の発生磁界を比較することによって誤差磁界の理論値を求めた。また、誤差磁界の理論値と上記実験値の比較検討を行った。軸対称コイルについては誤差磁界の絶対値と減衰時定数について、理論値と実験値はある程度一致した。レーストラックコイルについては、今回は、その直線部を無限長直線導体で近似したモデルで解析を行ったので、減衰時定数については定量的意味を持たせることは不可能であったが、誤差磁場絶対値については、各多極成分について定性的一致を確かめることができた。
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Research Products
(5 results)