2011 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導マグネットによる高安定・高均一な高磁界発生のためのミクロ電磁現象制御
Project/Area Number |
21360132
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
雨宮 尚之 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10222697)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 武恒 京都大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30303861)
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Keywords | 超伝導マグネット / 高温超伝導 / NMR/MRI / 電磁現象 / ツイスト / 磁界精度 / 遮蔽電流 / 残留磁化 |
Research Abstract |
(1)ツイストビスマス線材、非ツイストビスマス線材で巻いた軸対称コイルの磁界測定とそれらの比較 電流を立ち上げて一定電流に達したのち、ッイスト線材で巻いたコイルでは磁界が大きくドリフトし、その後の磁界は非ツイスト線材で巻いたコイルより安定であることがわかった。非ツイスト線材で巻いたコイルにおいては、ドリフトが数時間にわたって継続し磁界が安定しない。これはツイスト線材においては結合電流が速やかに減衰するためと考えられ、この結果は、ツイスト線材の適用による誤差磁界低減を実証するものである。 (2)線材アーキテクチャ電磁特性がミクロ電磁現象を通して誤差磁界に与える影響の整理 ビスマス線材は多芯構造をしているため、フィラメントをわたって流れる結合電流による磁化と個々のフィラメントの磁化が誤差磁界に影響する。フィラメントの磁化の減衰には非常に長い時間がかかるが、結合電流はフィラメント間の常伝導母材金属を介して流れるため、これによる磁化は比較的短時間で減衰する。ツイスト線材では結合電流の減衰時定数は比較的短い。別途行った研究によれば、薄膜線材の場合は、磁化の減衰による磁界のドリフトは小さい。これは、磁化が小さいことを意味しているわけではなく、超伝導層がモノリシックな膜形態をしている薄膜線材では結合電流は存在しないために磁化の減衰が非常に遅いためと考えられる。 (3)線材アーキテクチャ・電磁特性の最適デザインによる、精密高磁界(高安定で高均一な高磁界)発生のためのミクロ電磁現象制御法の提案 ビスマス線材を使う場合は、ツイストしかつフィラメント間の距離をなるべく大きくしフィラメント間の超伝導ブリッジングを抑制した線材アーキテクチャによってミクロ電磁現象を制御することが精密高磁界発生の点で有利である。
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Research Products
(2 results)