2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360137
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
星 伸一 東京理科大学, 理工学部, 准教授 (70292480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曹 梅芬 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 教授 (50390430)
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Keywords | 燃料電池 / 電気自動車 / 改質 / 水素生成 / 水素化ホウ素ナトリウム / 無機ハイドライド / 電力変換 / 永久磁石同期電動機 |
Research Abstract |
本研究の目的は,無機ハイドライド燃料を用いた水素タンクレス軽型燃料電池自動車(FCHEV)の開発である。本研究では,無機ハイドライドのうち,ナトリウムボロハイドライドを採用している。ナトリウムボロハイドライドは,触媒存在下で水を加えると加水分解により水素ガスを発生するが,ナトリウムボロハイドライド自体に含まれる水素のほか,水分子に含まれる水素もガスとして発生する。この水素を用いて燃料電池を動作させることによりFCHEVの駆動に必要な電力を得る。本研究では,燃料電池で発電時に生成される水を再循環させることにより水素生成システム全体の容積を減らすことを提案している。 今年度は,昨年度コントローラを積み替えた軽型電気自動車(EV)のモータ制御プログラムを変更し、走行実験を行い比較検証した。また、燃料電池の電圧と電気二重層コンデンサ(EDLC)をの電圧をEV駆動用の240Vに昇圧するための電力変換回路のそれぞれについて動作試験を行ったほか、それらを組み合わせて実験室内でFCHEVの走行を模擬した各種動作モードで試験を行い、適切に動作することを確認した。水素生成装置により得られた水素を燃料電池に供給し、問題なく発電できることも確認した。この実験により、水素生成器の容量増加が必要であること、及び水素供給量の制御の検討が必要であることが明らかになった。なお,永久磁石同期電動機の高効率駆動法などについても引き続きシミュレーション等で検証した。 今年度に得られた成果の一部は,国内の学会や国際会議で発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)試験用軽型EV・FCHEVの走行試験については、震災後の節電の影響及び制御法の比較実験を追加実施したことにより、FCHEVへの改造着手を年度後半にずらしたことからFCHEVの走行実験は未実施である。(2)昇圧型電力変換回路の設計と製作については、予定通り実施し、(3)の項目が上記の理由で遅れていることから、実験室内で各種走行条件を模擬した動作検証を追加項目として実施した。(3)燃料電池電気自動車への改造については、上記の理由で遅れている。(4)水素供給方式の検討については、順調に実施した。ただし、生成器の容量増加が必要であることが分かった。また、追加項目として、生成器の始動時の高速化についても検証した。(5)モータ制御法の検討については、計画通り実施した。
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Strategy for Future Research Activity |
提案水素生成器を燃料電池につないで発電特性を測定した際には、手動で水素生成量の調整を行ったが、実車搭載時には制御法を検討する必要がある。また、容量が設計値より低かったため、装置の改造が必要であることが分かった。そのため、来年度の予算の範囲内で、水素生成装置本体の改造を実施する予定である。
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