2010 Fiscal Year Annual Research Report
リソグラフィ-レス液体ナノデバイス作製プロセスの基盤確立と不揮発性メモリ応用
Project/Area Number |
21360144
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳光 永輔 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (10197882)
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Keywords | 電子・電気材料 / 電子デバイス・機器 / ナノ材料 / 半導体超微細化 / マイクロ・ナノデバイス |
Research Abstract |
本研究の目的は、半導体、絶縁体、金属等の様々な機能性材料の液体原料を用いたリソグラフィーレスの全く新しいナノデバイス作製プロセスを提唱し、その実現に向けて学術的および技術的な基盤を確立するとともに、不揮発性メモリ素子へ本手法を適用し、その可能性、将来性を明らかにすることである。初年度は基礎的実験を行い、液体原料の基礎物性を把握するとともに、ゲート絶縁膜となるPb(Zr,Ti)O_3(PZT)薄膜、チャネルとなる酸化物半導体薄膜を液体原料から作製して特性を評価した。さらにPZT薄膜を形成する際、結晶化前のゲル膜にインプリント時と同じような圧力を印加することで、薄膜のリーク特性および強誘電特性が向上するというまったく新しい知見を得ることができた。本年度は、前年度の基礎的知見に基づき、デバイス応用を念頭に研究を進め、チャネルとなる酸化物半導体薄膜の液体原料による形成とデバイス特性評価に注力した。チャネル材料としてはIn-Zn-O系の酸化物半導体を対象にし、はじめに液体原料の熱的性質が、薄膜の焼成温度および焼成後に得られる素子特性に大きな影響を及ぼすことを明かにし、液体原料の熱的性質を把握することが重要であることを指摘した。さらに得られた基礎的知見に基づき、原料溶液の設計指針を策定し、その指針に沿ってゾルゲル溶液とMOD溶液との混合系溶液を用いてIn-Zn-Oをチャネルとする薄膜トランジスタを作製したところ、従来の市販溶液では600℃のアニール温度が必要であったものが、400℃程度で良好なトランジスタ特性が得られ、200℃程度の低温化に成功した。今後は液体原料のより詳細な化学反応の理解とインプリントによるパターニング実験を進める。
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Research Products
(14 results)