2011 Fiscal Year Annual Research Report
エレクトロスピニング法によるナノファイバーの作製と電子デバイスへの基礎研究
Project/Area Number |
21360146
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金子 双男 新潟大学, 自然科学系, 教授 (20016695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 景三 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00194811)
新保 一成 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80272855)
馬場 暁 新潟大学, 研究推進機構超域学術院, 准教授 (80452077)
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Keywords | エレクトロスピニング / 高分子構造物性 / ナノ材料 / 電気電子材料 / ポリアクリル酸 / 電解重合 / 表面プラズモン励起 / バイオセンサ |
Research Abstract |
本研究では、本研究グループが提案した新しいノズル構造・電極を持つことで、高分子溶液に電界を印加し易くしたエレクトロスピニング法を用いて様々な有機分子のナノファイバーを作製した。特に、今年度は電子デバイスへの基礎研究の一例として、高感度バイオセンサの開発を目指して、表面プラズモン励起と組み合わせた研究を開始した。 バイオセンサは、特定の分子を改質した表面に吸着あるいは反応させて、その吸着量や反応の大きさを、電気的な量、あるいは光学的な信号、または物理的、化学的な変化量として種々の手法で計測することで、センシングを行う。表面積の大きいナノファイバーを測定分子の吸着あるいは反応物質として用い、その特性を最大限引き出し、高感度に測定するために、新奇性のある光学的測定法の表面プラズモン励起を用いた。また通常の表面プラズモン励起よりも電界強度が大きく通常よりも広い領域のファイバー上の分子を高感度に検出できるようにLong rangeの表面プラズモン励起法を用いた。 基本となるバイオセンサの分子吸着膜を構成するファイバーとしてポリアクリル酸にβシクロデキシドリンを混合して用いた。高屈折ガラス基板上にスピンコートでサイトップを600nm堆積した上にエレクトロスピニング法で、ナノファイバーを堆積させた。このファイバーは水に可溶のため、熱処理を行い、さらに重合させ水に不溶とした。その上にポリジアリルジメチルアンモニウムとポリアクリル酸の交互累積膜を堆積し、人免疫タンパクセンサを構築した。予備実験において、エレクトロスピニング法で作製したファイバーを用いたLong rangeの表面プラズモン励起で、高感度なバイオセンサの構築が可能と考えられた。 ナノファイバーの特性を活かした様々なデバイスの開発に向けて研究を進めていくための、基礎的なデータが得られたと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新しいエレクトロスピニング法で作製されたナノファイバーの特性を活かしたLong rangeの表面プラズモン励起を用いた電子デバイスであるバイオセンサについても、研究を実施できた。特にファイバーとLong rangeの表面プラズモン励起を組み合わせることで、従来よりも高感度なバイオセンサ構築の可能性があり、今後の進展が期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
エレクトスピニング法で作製したナノファイバーとLong rangeの表面プラズモン励起を組み合わせることで、従来よりも高感度なバイオセンサ構築の可能性があり、今後の進展が期待できる。
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Research Products
(2 results)