2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノドット構造を有する六方晶フェライト薄膜形成と高密度磁気記録用パターン媒体
Project/Area Number |
21360148
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 小晰 信州大学, 工学部, 准教授 (10372509)
安川 雪子 信州大学, 工学部, 特任助教 (10458995)
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Keywords | 六方晶フェライト / パターン化媒体 / 自己組織化 / ナノドット薄膜 / 垂直磁化膜 / ストロンチウムフェライト薄膜 / スパッタ / 金薄膜 |
Research Abstract |
全世界中で生成される年間当たりのデジタル情報の量は爆発的に増加しており、その量は世界中で年間に生産される全ての情報ストレージ機器の記憶可能容量を凌駕している。それゆえ、超高密度・大容量ストレージデバイスの開発が強く望まれている。大容量情報ストレージ機器の代表としてハードディスクドライブ(HDD)がある。本研究の目的は一平方インチ当たり数テラビットの高密度磁気記録が可能なHDD用パターン媒体を形成することである。記録用の磁性体薄膜には化学的に安定で機械的強度に優れたストロンチウムフェライトやバリウムフェライトなどの六方晶フェライト薄膜を用いた。これを自己組織化作用によりナノスポット化した金(Au)微粒子上にのみ結晶化(磁性体化)したフェライト薄膜を形成する。金(Au)以外の下地部分では結晶化しない、もしくはその結晶化温度が極めて高い。それゆえ、自己組織化作用によって形成された金(Au)ナノドット上のみに磁性体化したフェライト薄膜を、そして他の部分では非磁性体のナノパターン化媒体を形成できる。今年度は透明なガラス基板を用いてAuドットを形成し、その上のフェライト層をナノドット状に結晶化することが可能となった。これまで、ガラス基板上では赤外線の透過によって基板温度が上昇困難であり、従って六方晶フェライトの結晶化は不可能であった。今回、世界で初めてガラス基板上にフェライト薄膜を形成することができた。一方、Auナノドットの形成には至っているが、規則化に関しては未だ達成できてない。これは次のステップに進むために大きな課題である。本補助金で購入した磁気力顕微鏡を導入の導入により、形成されたフェライトドットの磁気構造が次第に明らかになりつつある。
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