2011 Fiscal Year Annual Research Report
ナノドット構造を有する六方晶フェライト薄膜形成と高密度磁気記録用パターン媒体
Project/Area Number |
21360148
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
森迫 昭光 信州大学, 工学部, 教授 (20115380)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
劉 小晰 信州大学, 工学部, 准教授 (10372509)
安川 雪子 信州大学, 工学部, 特任助教 (10458995)
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Keywords | 磁気ドット / 自己組織化 / Srフェライト / 六方晶フェライト / 高密度記録 |
Research Abstract |
平成23年度において、「研究の目的」、「研究実施計画」に基づく、金(Au)下地層上のSrフェライト薄膜の形成、ドット構造を有するSrフェライト薄膜の評価及び熱処理によるフェライト・ナノドット形成実験を行った。基板温度の制御により、Auドットの自己組織化の条件を明らかにした。さらに、数秒間で1000℃まで昇温可能な赤外線アークイメージ炉を用いて、Auドットの赤外線吸収特性を利用した、Auドット上のSrフェライト層のみ結晶化した、すなわち磁性ナノスポットの形成に成功している。つまり、通常の熱酸化シリコン基板では基板温度が600度付近にならないとスパッタ法で形成した酸化物薄膜は結晶化ならびに磁性体化しない。一方、金下地層を用いた場合、550度付近で酸化物薄膜は結晶化し磁性体化することが可能であることを明らかにした。下地層にきん薄膜を用いた場合、その形成条件によってナノドット状に分離分散する。この上に酸化物薄膜を基板加熱を560度程度施して選択的に金ドット上のみを結晶化することに成功している。そして優れた垂直磁気異方性を示す。磁気力顕微鏡(MFM)の観察結果により、ナノドットは単磁区構造を持つと共に、ドット間は磁気的に孤立しているため、1ビット/1ドット記録の可能性を明らかにした。しかしながら、実際の記録媒体として適用するためには、金ナノドットの規則的配列が必要条件であり、その検討を行った。これまで金下地形成時の基板温度によって、様々な形態のナノドットが形成できることが明らかになっているが、均一化、規則配列化には至っていない。
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