2011 Fiscal Year Annual Research Report
局所選択液相エピタキシャル成長によるGOI構造の作製と電気特性評価
Project/Area Number |
21360149
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志村 考功 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90252600)
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Keywords | 液相エピタキシャル成長 / ゲルマニウム / シリコンゲルマニウム / 急速昇温加熱 / 選択成長 / バックゲートトランジスタ / 電子デバイス |
Research Abstract |
本研究課穎は、局所選択液相エピタキシャル成長を用いてライン状の単結晶Geを絶縁膜上に形成したGOI (Ge on Insulator)構造の新たな作製法を実現し、次世代の高度情報化社会を担うと期待されている高速かつ低消費電力電子デバイスへの応用を目指すものである。局所選択液相エピタキシャル成長は、絶縁膜上に形成したライン状のアモルファスGeをGeの融点以上の温度に急速加熱することにより融解し、その冷却過程でseed領域からのエピタキシャル成長を促す手法である。seed領域では格子不整合による結晶欠陥が発生するがライン状に沿った結晶成長過程で転位は外方に抜け、無転位のライン状単結晶Geを作製することができる。本研究では、局所横方向選択液相エピタキシャル成長の基礎的知見を取得し、トランジスタの試作とデバイス特性の検討を行いその有効性を示した。 前年度までに局所横方向選択液相エピタキシャル成長の成長条件の検討を行い、作製したGeワイヤについて、結晶粒分布測定、結晶欠陥評価、組成分析を行ってきた。また、作製したGeワイヤについてバックゲートトランジスタを作製し良好なデバイス特性を確認することができた。正孔移動度は350cm^2/Vs以上を示し本手法の有効性を示すことができた。しかし、貼り合わせGOIウェーハ、酸化濃縮法により作製したGOI構造を初期基板としたトランジスタと比較してその優位性は十分ではなかった。そこで、本年度は、結晶成長条件、デバイス作製プロセスを改善することにより、本手法で作製したGeワイヤトラジスタの電気特性の改善を図った。その結果、トランジスタ特性として10^6のドレイン電流on/off比と522cm^2/Vsの正孔移動度を得た。
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