2009 Fiscal Year Annual Research Report
集束陽子線描画による高アスペクト比構造を活かした三次元誘電泳動デバイスの創成
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21360154
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
西川 宏之 Shibaura Institute of Technology, 工学部, 教授 (40247226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 諭 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (90305417)
長谷川 忠大 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (10340605)
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Keywords | 集束陽子線描画 / 三次元微細構造 / 誘電泳動 / レジスト / マイクロ流路 / 転写技術 / 高アスペクト比構造 / 微生物捕集 |
Research Abstract |
本研究の目的は、集束陽子線描画(PBW)により高アスペクト比を有するサブミクロン三次元微細構造を形成し、これにより微生物の捕集・計測・無害化機能を有する新規な高機能、高効率な三次元誘電泳動(dielectrophoresis:DEP)デバイスを創成することである。以下の3課題に取り組んだ。 1.ビーム発生・制御 (1)ビーム標準用の微細金属メッシュをNi電鋳により作製した。このビーム標準に陽子線を走査し、メッシュ端部での二次電子強調像から集束度を計測することが出来た。 (2)露光チャンバー内の真空ステージを駆動し、ステージ走査とビームスキャナ同期による描画実現のためソフトの開発を行った。これにより数十mmサイズのデバイス用描画領域を実現した。 2.材料・プロセス技術 (1)既に実績のあるSU-8やPMMAに加えて、市販のレジスト群より、新規な有機・無機レジストの感度・分解能を調査し、露光・現像条件等を見出した。 (2)レジストへの加工形状・精度評価のため、加工深さ、垂直性、表面粗さを走査型電子顕微鏡により評価した。 (3)ビーム標準作製:PBWによる三次元微細加工を施したPMMAレジストを母型として用い、Ni電鋳を行った。 3.DEPデバイス応用 (1)PBWによる高アスペクト比ピラー構造を利用した、DEPデバイスの設計・評価を行った。標準粒子による実験と電界計算を併用した微生物捕集デバイス設計を行った。PBWを利用したデバイス試作により、高アスペクト比ピラーアレイ等のデバイス基本構造の作製を検討・実施した。 (2)三次元DEP場をデバイスに組み込むための材料・プロセスを明らかにし、材料・プロセス技術にフィードバックした。また、デバイス作製に必要なマイクロ流路構造を、SU-8などの型からの転写成形手法を用い、適切な材料の基板・樹脂等により封止する技術を確立することが出来た。
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