2009 Fiscal Year Annual Research Report
多重チャネリングイオン注入により配向制御した単結晶Siナノワイヤーの創出
Project/Area Number |
21360157
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (20374952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 伸一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70400281)
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Keywords | Siナノワイヤー / 結晶配向制御 / チャネリング注入 / TFT |
Research Abstract |
本研究は、非晶質SiのCWレーザ結晶化とイオン注入による多重チャネリング効果を利用して非晶質絶縁膜上に単結晶Siナノワイヤーを成長し,ユビキタスネットワーク時代に必須の3次元LSIに向けた高性能なTFT技術の確立を目標とする。約100nm以下の非晶質Siナノワイヤーを結晶化アニールすることによって種々の結晶方位を持つバンブー状の単結晶粒の結合が形成できることをTEMにより確認した。コンケーブ状CWレーザビームを用いて非晶質Siを結晶化し,従来は幅2μm,長さ20μm程度であった結晶粒を幅2μm,長さ100μm以上に巨大化できるようにした。さらに、TFTの試作プロセス条件を改良することによって、実効電子移動度はSiバルクと同程度の600cm^2/Vsを得た。一方、イオン注入のチャネリング効果の検討では、まずシミュレーションによってSiイオン注入エネルギーとドーズによるチャネリング確率の結晶面方位依存性および膜厚依存性を調べ、次にSi(100)面のチャネリング確率の高い複数のチルトを選択しSi同位体結晶にSiイオンを注入する条件を最適化した。SIMSによって注入したSiのプロファイルを、ラマン散乱測定と断面TEMによって各条件における非晶質化状態を調べ、チャネリング注入による単結晶層維持条件とランダム注入による非晶質化条件を求めた。21年度はSiナノワイヤーの形成、巨大結晶粒化、チャネリングイオン注入条件およびTFTプロセス要素技術を整えた。次年度では、CWレーザ結晶化した巨大Si結晶粒に複数のチルトのイオン注入を行い、多重チャネリング効果を駆使して3次元的に結晶核を規定し所望の面方位で統一した単結晶Siナノワイヤーを実現し、これを用いたTFTを試作・評価する。
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Research Products
(10 results)