2010 Fiscal Year Annual Research Report
多重チャネリングイオン注入により配向制御した単結晶Siナノワイヤーの創出
Project/Area Number |
21360157
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 隆司 東北大学, ソリューション研究機構, 特任教授 (20374952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒木 伸一郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (70400281)
中島 安理 広島大学, ナノデバイス・バイオ融合科学研究所, 准教授 (70304459)
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Keywords | Siナノワイヤー / 結晶配向制御 / イオン注入 / チャネリング |
Research Abstract |
本研究は、非晶質SiのCWレーザ照射による大結晶粒化とイオン注入による多重イオンチャネリング効果を利用した結晶配向制御を組み合わせ,非晶質絶縁膜上に単結晶Siナノワイヤーを成長し,ユビキタスネットワーク時代に必須の3次元LSIに向けた高性能なTFT技術の確立を目標にする。前年度に開発したコンケーブ状レーザビームを平行な2本のライン状ビームに整形し,ダブルラインビームCLCにより3軸配向性を改善した100μmを超える長さをもつ線状のSi結晶粒を形成した。レーザラテラル結晶化面が(110),これに垂直な面が(111),表面が(211)に優先配向した。電子後方散乱回折像法(EBSD)によるSi薄膜の各面における結晶子の割合は,レーザ出力9.0W,レーザ走査速度0.1cm/sの条件において,それぞれ96.5%,85.6%,83.5%であった。また、前年度のチャネリングイオン注入シミュレーションで求めた最適な条件を用い多結晶Si膜の2重イオン注入実験を行い,XRD,TEM,EBSDなどにより結晶性を評価した。ブラッグ角28.4°の(111)面、及び47.3°の(220)面の両方において,チルト角0度および45度の2段階注入を行ったSi膜の結晶配向性が大きく改善されることが見出された。特に,2段階イオン注入を行ったSi膜の(220)のピーク強度が1段階の場合と比べ約5倍強くなっており,(110)面方位をもつ大型結晶粒を優先的に結晶成長させることができたと考えることができる。次年度に向け準備した電子ビーム露光によりナノワイヤー状に加工したSi非晶質膜をダブルラインビームCWレーザで結晶化し,チャネリングイオン注入を組み合わせることで配向制御を行い,TFT試作によって単結晶Siナノワイヤーの電気特性の総合評価を目指す。
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Research Products
(7 results)