2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360161
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
白石 和男 宇都宮大学, 工学研究科, 教授 (90134056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
依田 秀彦 宇都宮大学, 工学研究科, 准教授 (30312862)
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Keywords | シリコン細線導波路 / スポットサイズ変換器 / シリコンフォトニクス / レンズドファイバ / スポットサイズ / 光ファイバ / ダウンテーパ / アップテーパ |
Research Abstract |
1.シリコン細線導波路用スポットサイズ変換器(SSC) 研究開始時から開発してきた、垂直方向アップテーパ型に加えて、垂直方向ダウンテーパ型およびトンネル結合型を新たに考案した。 (1)アップテーパ型:素子長が従来の半分近くで、かつ損失が1.9dBのSSCが実現できた。さらに損失低減化するための、面内方向電磁界閉じ込め効果をもつ側壁形成条件(高周波スパッタリングによる成膜時のガス圧力と高周波電力)を見出した。 (2)ダウンテーパ型:素子を平坦化できる、垂直方向ダウンテーパ型を新たに考案した。実際に試作した結果、過剰結合損失が3dB以下のSSCを実現できた。無反射処理が不要であることも実証した。散乱による過剰損失の予測も行い、本構造がより低損失になり得ることを明らかにした。 (3)トンネル結合型:原理的に素子長を50μm程度まで小型化できるトンネル結合原理を用いたSSCを考案し数値解析によりその有効性を明らかにした。 2.シリコンベースレンズド光ファイバ プラノコンベックス型およびシリコン被覆凸型(HILC)レンズドファイバで、最小スポット直径が1μm(波長1.55μm)という従来(3μm程度)では実現できなかった微小サイズを得ることに成功した。作製については、固有ビーム径GIファイバおよび単一モードGIファイバのいずれを用いても実現できることを明らかにした。特に、プラノコンベックス型は、シリコン細線導波路との結合損失が1.45dBという低い値を得、従来のレンズドファイバでは不可能だった高結合を初めて実現した。 試作したレンズドファイバは、研究成果有体物として企業に提供され、市場で試用されるに至った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
スポットサイズ変換器については、当初目標としたアップテーパ型の小型化・低損失化を実現し、さらに新たにダウンテーパ型とトンネル結合型の2つの方式を創案できたこと。また、レンズドファイバについては、当初目標とした集光ビーム径を実現するとともに、市場に提供(試用)するまで完成度をあげることができた点である。
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Strategy for Future Research Activity |
スポットサイズ変換器(SSC)については、新たに創案したダウンテーパ型の低損失化と、同様に新型であるトンネル結合型を実際に試作してその動作を検証することである。さらには、これら3種のSSCの実験的な得失を明らかにして、将来市場に提供できる形態を示すことが重要である。 レンズドファイバに関しては、既に市場で試用中であり、実用的観点からのフィードバックを得て、形状や作製方法のさらなる改善を行う必要が生じると考えられる。
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