2009 Fiscal Year Annual Research Report
SiCを用いた高密度用新型二端子抵抗変化型不揮発性メモリと集積化技術
Project/Area Number |
21360164
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
須田 良幸 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (10226582)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / 半導体超微細化 / メモリ / 不揮発性 / 抵抗変化型 / SiC / トンネル効果 / MIS |
Research Abstract |
本研究は、今後日本の中核となる産業・民生電子機器の小型化・多様化を展開するため、研究代表者が考案した、全く新しい構造(金属/SiO_2/SiO_x/SiC/Si型構造)と動作原理からなる、現在の3端子メモリより高密度化が可能な2端子抵抗変化型不揮発性メモリについて、これまでの成果に立脚して、集積回路素子(LSI)形成に整合した基本作製技術を展開し、本メモリLSIを実用化するための基盤技術を確立することを目的としている。今年度はまず、LSI製造プロセス温度に整合させるため、850~950℃のSiCおよび酸化膜の形成法を検討した。SiCについてはこれまで1000℃以上の成膜温度が必要であったトリクロシランとプロパンを用いるCVD法に加えて1000℃以下で成膜が可能なモノメチルシランを用いるCVD法で形成したSiC膜を用いて繰り返し不揮発性メモリ特性を得ることに成功した。また、従来のSiCの酸化に代わり、Si/SiCを酸化する方法で850℃の酸化でSiO_2/SiO_x/SiCのメモリ構造を作製し、10^4回のエンデュランス特性を得た。さらに、700℃でスパッタしたSiC膜とSiO_2を用いてメモリを作製し、メモリ特性を得ると共に、スパッタSiC膜の成膜温度を上げるほど、結晶性が向上することをFTIRの測定から得られた。また、この成膜温度の上昇で同時にメモリ効果が向上する結果を得た。電子をトラップする構造を意図的に形成したメモリを作製し、従来提案している電子の充放電が本メモリ動作の原理であることを支持するさらなる結果を得た。また、集積回路の回路構成によりメモリに要求される電流範囲を評価した。以上、プロセスの低温化の可能性と方向性を明らかにし、また、提案している動作原理を支持する結果が得られ、また、実用化のために要求される電気的特性の概要を把握した。
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Research Products
(7 results)