2009 Fiscal Year Annual Research Report
分極反転光変調技術を用いた高性能無線信号-光信号変換デバイスの開発
Project/Area Number |
21360170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村田 博司 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20239528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩見 英久 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00324822)
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Keywords | アンテナ電極光変調器 / 分極反転 / Radio-Over-Fiber / 光集積回路 / 電気光学効果 / 空間多重無線通信 / MIMO |
Research Abstract |
本研究は、"強誘電体の分極反転構造を利用した高速電気光学変調技術"を用いることにより、複数の無線信号を同時に受信し、かつ、それらの無線信号を到来方向ごとに分離して異なる光信号に変換することのできる"高性能無線信号一光信号変換デバイス"を開発することを目的とする。本年度は下記の成果を得た。 ・ まず、プロトタイプデバイスとして、15GHz帯の無線信号を分離することができるデバイスの設計を行った。光波の動作波長は1.55μmとした。また、アンテナ電極として、マイクロストリップパッチアンテナとコプレーナー共振型電極を接続させた構成を用いることとした。 ・ 次に、設計に基づき、プロトタイプデバイスを作製した。基板にはタンタル酸リチウムを用いて、光導波路はアニールプロトン交換法を、アンテナ電極はAl蒸着とフォトリソグラフィーを用いて作製した。 ・ 試作したデバイスの基本動作実験を行い、15GHz帯無線信号を照射すると光波を直接変調できること、分極反転構造により無線信号-光信号変換の指向性を制御できることを実証した。 ・ さらに、試作したデバイスに、空間多重された2つの15GHz帯無線信号を同時に照射したところ、それらの無線信号を到来方向別に分離して、異なる光信号に変換できることを確認した。 ・ 最後に、大容量通信が可能な60GHz帯無線通信システムのための無線信号-光信号変換デバイスの動作解析および設計を行った。高い信号分離比を得るための分極反転構造についての詳細な検討を行い、光波の走行時間による位相ずれの効果を考慮することで、到来角が10度ずつ異なる60GHz帯無線信号を分離比15dB以上で分離できる可能性を明らかにした。
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