2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360173
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
粟井 郁雄 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20026074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 陽軍 龍谷大学, 理工学部, 講師 (60324331)
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Keywords | 人工誘電体 / プリント基板 / 高誘電率 / 異方性 / 低損失 / 定数の空間的制御 / レンズ / 反磁性 |
Research Abstract |
人工誘電体共振器のフィルタへの応用,人工誘電体レンズアンテナへの応用、電波吸収材への応用の3本柱で昨年度も研究を進めた.人工誘電体は大きな誘電率及び制御可能な大きな異方性さらには低損失を実現できる可能性があり、昨年度は特に誘電率の増大を計った。それを妨げる要因は基板材料を貼り合わせる接着剤の厚さと低誘電率にある事が分かったため、極力薄い基板とプリプレグを用いるよう基板作製業者に発注した.その結果、比誘電率は800まで向上し目標の1000まで後一歩に迫った.その間に導波管型フィルタ作製に向けて結合係数や外部Qのコントロール法等の獲得を進めた。 レンズアンテナは大きな誘電率を利用して極めて薄型に作製できるが,その誘電率の大きさが外部の空気層とのミスマッチの原因となり利得が上昇しない.この欠点を克服するため一昨年度は反射防止層を加えたが,レンズが厚くなって幾何光学的設計法が破綻する事が判明した.幸い一次放射器としてパッチアンテナを用いているため、平板状であるレンズアンテナと多重反射を起こし、パッチ/レンズアンテナ間距離の調整によって共振が起こり反射が減少する.この方法は平板状という特長を生かして、軽くて薄いというレンズアンテナの利点を損なわない優れた方法であると言えよう。 最後に電波吸収材としての利用は、吸収条件の多様化、高機能化を目標としたが,現時点では通常材料を超える特性の実現には至っていない.等方性を確保するため球状導体を用いており、その際生ずる反磁性の活用を図りたいと考えている。
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Research Products
(5 results)