2009 Fiscal Year Annual Research Report
光信号のヒルベルト変換を用いた光単側波帯変調方式の開発
Project/Area Number |
21360177
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高野 勝美 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60302303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 清司 山形大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90282235)
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Keywords | 光通信 / 光ファイバ / 単側波体変調 / 光信号処理 / ヒルベルト変換 |
Research Abstract |
光ファイバ通信における周波数利用効率向上のためには光単側波帯(SSB)変調方式が有望である.光SSB変調を実現するには,信号をヒルベルト変換する機能が必要であるが,従来のマイクロ波素子のヒルベルト変換では,光通信の高速性が十分に生かせない.本研究では,この問題に対処するために,光領域の処理によるヒルベルト変換方式に関する理論的な知見を発展させ,広帯域で高速なヒルベルト変換器の創出と,それを使った光SSB変調方式を実現し,次世代に最適な光ファイバ伝送システムを構築する. 初年度である本年度は,(1)反射形光ヒルベルト変換器の試作実験,(2)様々な光ヒルベルト変換器の理論的な性能予測と利害得失の整理,(3)光SSB変調信号の光ファイバ伝送による波形歪みとその抑制方法の検討,(4)光通信ネットワークにおけるパラレル伝送に必要な波長多重数の検討,(5)次年度予定の進行波形光ヒルベルト変換器の試作準備,などである. 光ファイバブラッググレーティングを複数用いた反射形光ヒルベルト変換器の試作と実験を行った.タップ数は2,4,6である.その特性は理論的に予測した性能とほぼ一致する特性が得られた.今後はこれを用いた光SSB変調信号生成を実施する予定である.反射形および進行波形光ヒルベルト変換器について,その性能と利害得失を整理した.前者は集積化に有利であるが損失が大きい.後者は光分合波器の原理に依存して光損失特性が決まることがわかった.光単側波帯変調信号の発生方法による光ファイバ伝送特性について検討した.光ファイバ屈折率非線形効果に起因する自己位相変調効果の抑制には光搬送波の送出有利であることがわかった.そのために,光ベクトル変調器のバイアス設定方法などを提案した.
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