2011 Fiscal Year Annual Research Report
光信号のヒルベルト変換を用いた光単側波帯変調方式の開発
Project/Area Number |
21360177
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
高野 勝美 山形大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60302303)
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Keywords | 光通信 / 光ファイバ / 単側波帯変調 / 光信号処理 / ヒルベルト変換 |
Research Abstract |
光ファイバ通信における周波数利用効率向上のためには光単側波帯(SSB)変調方式が有望である.光SSB変調を実現するには,信号をヒルベルト変換する機能が必要であるが,これまでマイクロ波素子のヒルベルト変換では,光通信の高速性が十分に生かせない問題があった.この問題に対処するために,我々は,電気信号領域でのヒルベルト変換ではなく,光領域の処理によるヒルベルト変換方式を提案し,理論的検討を行ってきた.その理論的な知見をさらに推し進め,広帯域で高速なヒルベルト変換器の創出と,それを使った光SSB変調方式を実現し,次世代に最適な光ファイバ伝送システムを構築することが本研究の目的である. 本年度は,光SSB信号の光ファイバ伝送試験に必要な光部品を準備し,伝送系を構築した.周波数多重TV放送波信号の伝送を行い,エラーフリーな100km光ファイバ伝送を実験的に行った. 光領域処理によるヒルベルト変換器の高次化では,複数の光干渉計モジュールを組み合わせた実験を行った.多重干渉による安定性に対する課題が明確となった. また,長距離大容量伝送のシステムへ拡張するための基盤としての理論検討を行った.具体的には,長距離化のための光送信強度増に伴う光ファイバ非線形による波形歪みを抑制するために,光送信器内で信号の移相処理を行う方法を提案した.約45度の位相回転を伝送前に行うことで,光信号のピーク強度を抑えることができ,ファイバ非線形に起因した波形歪みを抑制することができることを理論的に示した.また,応用光ネットワークにおけるスイッチ規模低減のための波長群設計法に関する検討を行い,グループ化方法に関する望ましい設計指針を得た..
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