2009 Fiscal Year Annual Research Report
脳コンピュータインタフェースのためのデータ駆動型多チャンネル信号処理
Project/Area Number |
21360179
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
田中 聡久 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (70360584)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曹 建庭 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20306989)
|
Keywords | ブレイン・コンピュータ・インタフェース / 経験的モード分解 / 信号処理 / EEG / 脳工学 / 脳科学 / 時間周波数解析 |
Research Abstract |
本年度は,以下の3点で成果があった. 1.眼球運動成分が混入している脳波から,この成分を取り除く手法を,2変量経験的モード分解(BEMD)を用いることで構築した.この方法では,参照信号としての眼球運動成分と,各チャンネルの脳波を同時に観測し,それらを対にしてBEMDを適用する.これによって,不要成分と必要成分が明確に分離され,クリーンな脳波成分のみを抽出することができる.これによって,ブレイン・コンピュータ・インタフェース実現時に問題となる脳波波形の突然の変化を避けることが可能になる. 2.単一試行脳波からP300成分を経験的モード分解(EMD)を用いることで分解する手法を構築した.P300は,BCIにおいて広く使われる誘発脳波であるが,脳波のポテンシャルとしてあらわれる成分なので,雑音や別の脳波が混入している場合は単一試行で抽出することができない.そのため複数試行によって加算平均しているのが実情である.本手法によって,BCIでコマンド判定するまでの時間を大幅に短縮できることが期待される. 3.異なるセンシング装置(EEG,NIRS,EOG,ECG)で取得した多チャンネル脳波を,EMDにより分解し,分解した成分の相関をマップ化することで,同一刺激に対する異なる装置からのデータを融合(fuse)する事が可能になった.これにより,異なる装置を組み合わせたBCIの実現がより容易になった.
|