Research Abstract |
前年度に開発した経験的モード分解(EMD),および二変量経験的モード分解(BEMD)の計算法を,プレイン・コンピュータ・インタフェース(BCI)の前処理に用いて,その有効性を確認した.さらに,データに基づく多チャンネル信号処理の新たな方法として,共通空間周波数パターン(CSFP)法を提案し,具体的なアルゴリズムを設計した 具体的には,BCIパラダイムの創出及び実システムへの応用課題については,P300とP100を結合して,P100聴覚誘発電位のBCIパラダイムを提案した.このパラダイムでは,同一実験の中,頭皮上に異なる反応箇所(側頭葉と頭頂葉)に現れるP100の誘発と,P300の誘発を同時に得ることにより,ユーザの意向を確認出来るまでにかかる時間を短くすることが可能になった.さらに,P100による補助情報によりユーザの意向確認の信頼性にも向上した. つぎに,経験的モード分解法(EMD)を多チャンネルへ拡張したMEMD法をBCIに適用することで,認識率等を改善できることを発見した. また,CSFP法に関しては,その理論,アルゴリズム,計算の収束性を理論的に示すことができ,運動想像BCIに寄与する脳波の周波数帯域を自動的に検出することが可能になった.さらに,BCIの認識精度が高くなることを確認するとともに,実験タスクに反応する有効な周波数成分を効率よく解析できるようになった.
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