2011 Fiscal Year Annual Research Report
マルチ仮想ネットワーキングによる高信頼ネットワークシステムアーキテクチャの研究
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21360187
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 孝三 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10273731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 和彦 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (40304018)
廣田 悠介 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20533136)
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Keywords | 高信頼性ネットワーク / セキュアネットワーク / エージェント / 自己組織化 / 仮想ネットワーキング |
Research Abstract |
近年、光通信技術の発展によるバックボーンネットワークの大容量化と、アクセスネットワークのブロードバンド化に伴い、インターネット上で動画像や音声などを含めたマルチメディアアプリケーションが提供可能になりつつある。しかし、真の社会インフラとしてこれらのサービスを安定的に供給するためには、単なる情報転送網の容量拡大だけではなく、通信品質(QoS : Quality of Service)の安定的保証が必須条件であり、そのためのネットワーク制御基盤の再構築が必要となっている。 本研究は、多様化するサービス仕様の効率的開発と高信頼性要求の両方の課題を同時に解決するための従来にないICTシステムアーキテクチャの開発を目指すものであり、その基本的なアプローチとしてネットワリクの可視化、すなわち、ネットワークの構成・動作を管理者およびユーザに見えるようにすることを新パラダイムとし、サービスおよびシステム機能のコンポーネント化技術、コンポーネントの仮想ネットワーク化技術および仮想ネットワーク間自律分散協調技術を主たる構成要素とするネットワークシステムアーキテクチャを構築する。これによって、従来のブラックボックスとして隠蔽されたネットワークとは根本的に異なる信頼性を得る。 今年度は、通信端末の物理的局所性を考慮した仮想ネットワーク構築法の提案及び評価を行った。これは、ネットワーク資源の節約及び通信遅延の低減を目的としたルーチングを行うとともに、中継端末における障害や仮想網構成端末の頻繁な追加及び離脱に対応可能な高信頼性ネットワークを自律分散的に構成する手法であり、基礎評価によってその有効性を明らかにした。また、無線マルチホップネットワークを用いたアクセス網において、自ネットワークの自己組織化と他ネットワークとの協調による高効率・高信頼化手法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、応募時の研究計画書通りに進捗している。プロトタイプ実装による実験の準備がやや遅れているが、一方で、自己組織化理論の確立は予定を前倒して進めており、全体としては順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
仮想ネットワークの自己組織化手法について、いくつかの典型的な物理網を想定した具体化を進める。まずはWDM型光ネットワークを想定し、波長資源の有効利用を考慮した形への拡張を模索する。次に無線マルチホップネットワークを想定し、多チャネルかつ不均質な環境での周波数資源の有効利用を考慮した形への拡張を検討する。 一方、障害回復技術については、より高速な回復のための管理情報取得頻度と応答性についてのトレードオフについて定量的に評価し、大規模網において適切な手法を確立する。
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