2011 Fiscal Year Annual Research Report
広帯域量子通信路における符号化・復号化,変調及び多重化方式に関する研究
Project/Area Number |
21360189
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
臼田 毅 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (80273308)
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Keywords | 情報通信工学 / 量子情報理論 / 量子ガウス通信路 / 通信路容量 / 波長分割多重 / 量子通信 |
Research Abstract |
本年度に行った研究を要約すると次のようになる. 1.整数環上の符号による相互情報量の詳細特性 非自由加群を含む整数環上の線形符号とPSK変調の組み合わせによる相互情報量の特性を詳細に検討した.結果として,特に平均光子数が小さいとき,非自由加群が優位である場合があることを明らかにした.また,2元線形符号による相互情報量が,符号語のハミング重みによって決まっていたのに対し,整数環上の線形符号の場合は,リー重みが同じでも符号を構成する符号語のタイプが異なれば,相互情報量特性が異なることがあることを例示した. 2.周波数依存の減衰特性をもつ通信路に対す波長分割多重による離散化通信路容量の特性 周波数依存の減衰特性をもつ通信路として自由空間通信路について,量子通信路容量と波長分割多重による離散化通信路容量の比較を行った.結果として,自由空間通信路においては,波長分割多重によりトータルの周波数帯域幅を狭めると,入力パワーによらず,通信路容量が急激に減少することがわかった.これはフラットな周波数特性をもつ減衰通信路とは定性的に異なる特性といえる. 3.最適な量子一括復号による通信路行列公式のさらなる一般化に向けた検討 昨年度までに狭義の群共変的符号について通信路行列の公式を完成させ,本研究の当初目標の一つが達成された.しかし,公式適用に際し,PSK変調と拡大体上の線形符号の相性が悪いことが判明した.今年度は,プロジェクト終了後の展開も見越して,より広義の群共変的信号として(G,χ)-共変的量子信号を定義し.その必要十分条件を明らかにした.
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Research Products
(21 results)