2010 Fiscal Year Annual Research Report
超音波によるターゲット自己探索型気泡マニピュレーション
Project/Area Number |
21360195
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山越 芳樹 群馬大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10174640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 空司 群馬大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30313414)
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Keywords | 気泡クラウド / キャビテーション / ソノポレーション / 気泡トラッピング / 共焦点レーザー顕微鏡 / 気泡破壊 |
Research Abstract |
比較的高い音圧を持つ超音波で微小気泡が破壊されるときに生じる気泡キャビテーションによって細胞膜に微小な穴を穿つソノポレーションは、超音波支援のドラッグデリバリシステムを特徴づける重要な技術である。気泡キャビテーションの効率を向上させようとしてポンピング超音波(気泡を破壊させないが気泡に音響放射圧を加えることができる音圧を持つ超音波)を気泡に照射すると、複数の気泡が集合する気泡クラウドが形成される。この気泡クラウドによるキャビテーション現象を知ることは、ソノポレーションの効率向上やソノポレーションにより形成される微小窪みの質の制御に重要な役割を果たすことが期待される。本稿では、水侵対物レンズを組み込んだレーザー共焦点顕微鏡を用いて気泡クラウドと微小窪みとの関係を実験的に評価した。流路ファントムとしてNIPAゲルファントムを、微小気泡としてレボビストを用いて実験を行った。流路にレボビスト気泡を流した後、ポンピング超音波(音圧100kPa、周波数一定2.5MHz、照射時間1.0s)を照射して流路壁面に成長型の気泡クラウドを形成させた。ここに照射シーケンスを変えた気泡破壊用超音波を照射後、気泡キャビテーションにより流路壁面に形成された微小窪みをレーザー共焦点顕微鏡で観測した同じポンピング超音波の条件で形成された気泡クラウドに対して気泡破壊用超音波の照射シーケンスを変化させることで微小窪みの深さ、等価半径、アスペクト比など諸特性が変化することを確認できた。これらの結果は、気泡のダイナミクスをドラッグデリバリシステムにおけるソノポレーションで使う上で有効になる重要な知見と考えられた。
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Research Products
(7 results)