2011 Fiscal Year Annual Research Report
磁気マーカーを用いた高速・高感度な多項目バイオ免疫検査システムの開発
Project/Area Number |
21360199
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
圓福 敬二 九州大学, 超伝導システム科学研究センター, 教授 (20150493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昌睦 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80346824)
隈 博幸 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (40435136)
吉田 敬 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (30380588)
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Keywords | 免疫検査 / 磁気マーカー / SQUIDセンサ / 磁気ナノ粒子 / ブラウン運動 / バイオ検査機器 |
Research Abstract |
本研究では、多種類のバイオ物質を高速・高感度に検出するための新規な磁気的免疫検査システムを開発することを目的としている。すなわち、申請者らが考案・開発してきた固定用ポリマービーズを用いたB/F(Bouhd/Free)分離不要の液相検査法を発展させて迅速・高感度な検査を可能とするとともに、多項目検査のための検査手法を開発することを目的としている。このために、(1)磁気マーカーの特性解明、(2)高速・高感度なSQUID検査法の開発、及び(3)液相での免疫検査実験による実証を行なった。 (1)磁気マーカーの特性解明:免疫検査に用いられる磁気マーカーは磁気ナノ粒子の凝集体からなり、その特性はナノ粒子自身の特性と粒子間の磁気的相互作用に強く依存した複雑なものとなる。このため、凝集体の特性解明のための解析手法を新たに開発し、この手法を用いて種々の磁気マーカーを評価した。これにより、免疫検査応用に適した磁気マーカーの開発指針を明らかにした。 (2)SQUID検査法の開発:固定用ポリマービーズを用いたB/F(Bound/Free)分離なしでの液相免疫検査法を改良し、高速・高感度なSQUID検査法を開発した。このために磁気マーカーのブラウン緩和や抗原との結合過程を高精度に計測できるシステムを開発した。これにより、免疫反応の時間経過やマーカー間の凝集の様子の詳細な計測を可能とした。 (3)液相での免疫検査実験:固定用ビーズを用いた液相での蛋白質の検査実験を行い、アトモルレベルの高感度検出が迅速に行なえることを示し、本手法の有効性を実証した。また、免疫検査に適した磁気マーカーを開発し、このマーカーを用いれば検出感度をさらに高めることが可能であることを示した。
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