2011 Fiscal Year Annual Research Report
生物用高分解能2次元3次元複合音響インピーダンス顕微鏡の開発
Project/Area Number |
21360200
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
穂積 直裕 豊橋技術科学大学, 工学教育国際協力研究センター, 教授 (30314090)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 祥子 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 講師 (40222393)
山本 清二 浜松医科大学, 光量子医学研究センター, 准教授 (60144094)
西條 芳文 東北大学, 医工学研究科, 教授 (00292277)
|
Keywords | 計測システム / 超音波 / 生体組織 / 音響インピーダンス |
Research Abstract |
平成23年度は、ラットの脳腫瘍モデルを観察した。腫瘍部の音響インピーダンスは、平均値で見ると正常部に比較して大きな差がみられなかったが、画像で見ると正常部に比較して荒れていることが判った。そこで、この画像の荒れを数値化するため、音響インピーダンスの局所粗さを表す局所標準偏差を計算することとした。画像の自己相関関数から特性相関距離を求め、これより広い範囲の標準偏差を計算することとした。空間分解能をよくするためにはできるだけ狭い範囲の標準偏葦を計算する必要がある。これらを勘案し、140ミクロン角の正方形を計算範囲とした。音響インピーダンスの局所標準偏差で画像を再表示した結果、腫瘍部分をハイライトすることができた。再現性を確認するため、合計5個体について同様の実験を行ったところ、いずれも良好な結果が得られた。また、Bモード、Cモード複合表示を行うことにより、断面の奥に腫瘍がどの程度拡がっているのかを測定するため、3次元観察を行った。 細胞観察については、300MHz程度の中心周波数をもつ超音波信号によりラットのグリオーマ細胞を観察した。細胞核および細胞骨格が音響インピーダンス像で明瞭に観察できた。この状態で薬物(抗癌剤)を投与すると、正常細胞に対する副作用により細胞骨格が消失していくことが観察された。細胞が生きた状態で連続観察できる手法としてすぐれたものであることが実証された。次年度以降、グリア(正常細胞)とグリオーマ(腫瘍細胞)細胞をに対する、抗癌剤の効果を比較する。また、細胞の音響インピーダンス分布測定に加えて、細胞の3次元形状を観察する機能を追加した。
|
Research Products
(9 results)