2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21360208
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Research Institution | Kochi University of Technology |
Principal Investigator |
那須 清吾 高知工科大学, 経営学部, 教授 (30373129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 雅博 高知工科大学, 工学部, 准教授 (80301125)
NATTAKORN Bongochgetsakul 高知工科大学, 社会マネジメントシステム研究センター, 助教 (10436553)
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Keywords | 土木工学 / 維持・管理 / 土木材料 / 建設マネジメント / 施工 |
Research Abstract |
昨年度までにシステムフレームワークが完成し、任意橋梁の基本・環境データを入力することで補修コストが最小化された補修シナリオ(全供用期間の補修パターン)を導くことが可能になった。しかし、便宜上システム全体の構築のため、劣化過程を橋梁全体が同じ速度で進行すると仮定した。実際の橋梁は劣化のばらつきを有し、実用的なBMSを構築するための考慮が必要不可欠である。 このような背景を踏まえ、23年度は高知県を対象とした県職員による点検結果を分析し、橋梁の劣化のばらつきを評価できる様に新たなアルゴリズムに取り込んだ。また、点検結果を利用し、劣化状態の予測結果を補正するアルゴリズムを導入したことで、より現実に近い劣化予測が効能となった。劣化のばらつきを有する橋梁に対して部分的な損害を補修するシナリオを追加したことで、1橋の中でも複数の補修工法および補修タイミングを詳細に予測できるようになった。今後は点検回数や頻度等について戦略的な点検計画を策定できる効果が考えられる。また、詳細な補修計画を策定できることから、間接工事費などの情報と併せて精度の高いLCC算出が可能となり、合理的な予算計画が策定できる効果が考えられる。 劣化モデルの中心となる腐食モデルの定量化についてはコンクリート及び品質(w/c比)や内部の塩分濃度の影響により腐食量を定期的に測定した。しかし、低速度の腐食環境において23年度内に定量化モデルを構築するために必要な測定結果がやや不十分となった。24年度半ばに新たな測定結果が加わり定量化モデルを構築できる見込みである。 尚、高知県が所有する橋梁の主な劣化原因は飛来塩分によるものと考えられる。飛来塩分を測定、定量化することによって、より正確な予測が可能となる。23年度は飛来塩分の装置開発から測定方法、結果収集、データ処理・分析を一貫とした方法やノウハウの提案が可能な状況となった。
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Research Products
(2 results)