2010 Fiscal Year Annual Research Report
耐震補強した鉄筋コンクリート橋脚の地震による損傷に関する研究
Project/Area Number |
21360210
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
睦好 宏史 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (60134334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧 剛史 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60292645)
齊藤 正人 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (40334156)
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Keywords | RC橋脚 / 耐震補強 / 全体系地震応答 / 仮動的実験 / 基礎 |
Research Abstract |
既設RC橋脚に曲げ耐力の向上を伴うRC巻立て補強を施すことで,杭に生じる影響を検証するために,昨年度行った仮動的実験の結果を基に,杭基礎と橋脚の水平耐力比を変化させたパラメトリック解析を行った。また,杭の損傷を詳細に検証するために,解析結果から2ケースを取り出し,杭頭の地震時の応答を再現する実験を行った。実験は,杭の損傷を明らかにするために,最も大きな曲率が生じる杭頭部分を取り出し,地震時の杭の応答を再現する載荷試験を行った。対象範囲は杭頭からモーメント分布が最初に0に近づく点までとし,フーチングから1.0mとした。 載荷は,フーチングから1.0mの位置の変位を制御することで,地震時の杭の変形を再現した。ここで,入力した変位は地震応答解析結果から得られた変位から,杭軸直角方向の変位分を算出したものである。実験対象としたのは,水平耐力比=0.89(A橋)と,水平耐力比=1.15(B橋)の2ケースとした。 解析と実験より得られた知見を以下に記す。 1)構造物に地盤を含めた全体系で考えた場合,構造物のどこか一箇所の耐力を向上させると,それに応じて他の部位に損傷が移行してしまう現象が見られた。地震時に基礎の降伏を抑えるためには,橋脚と基礎の耐力比を1.5以上とし,橋脚で地震エネルギーを吸収させるためには橋脚の塑性率を6.7以上にする必要があることが明らかとなった。 2)杭基礎が損傷する場合,フーチングとの境界面で局所的に損傷し,終局に至っていることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)