2011 Fiscal Year Annual Research Report
非接触非破壊検査法による土木構造物の新たなモニタリング戦略の構築
Project/Area Number |
21360211
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
廣瀬 壮一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (00156712)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木本 和志 岡山大学, 大学院・環境学研究科, 准教授 (30323827)
斎藤 隆泰 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (00535114)
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Keywords | 非破壊検査 / 非接触超音波法 / 空気超音波法 / 電磁超音波法 / 時間域境界要素法 / 板波 / 逆解析 |
Research Abstract |
本研究は非接触超音波法に関する数値解析を中心とした基礎研究を進め,その結果を用いて新しいモニタリング戦略を構築するものである. 平成23年度は,非接触非破壊検査法の一つである空気超音波法の新たな数値解析手法を提案した.空気超音波法の解析には空気と固体の2つの媒質における波動の連成問題を解く必要があるが,両媒質の界面における境界条件において現われる時間微分項をNewmarkのβ法を用い,時間合成積を演算子積分法で処理する境界微積分方程式法を提案した.これによって,非線形問題を含む幅広い問題を解析することが可能になった.提案した手法による空気超音波法のシミュレーション結果より,空気から固体内に伝搬する実体波の振幅は空気における入射波の入射角に大きく依存するものの,界面を伝搬する表面波は入射角によらず一定の振幅を示すことがわかった.よって実用上は表面波を用いた空気超音波法が適しているといえる.この結果を受けて,板波を用いた欠陥形状推定のための逆解析手法を提案した.この手法は,板の欠陥部による反射板波の積分表現を用いて特定の板波モードの反射係数から欠陥部の形状を再構成したものである.空気超音波は非接触であり,板波の送受信におけるモード選択性を容易に実現できることから,本逆解析に適した非破壊手法であることがわかった. さらに,本研究で対象とした非接触非破壊検査法である電磁超音波法及び空気超音波法に関する3次元解析も実施した.これによって,2次元解析では得られなかった2次元面内に含まれない側面や欠陥からの3次元的影響を把握することができた.
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